高級な五月人形をお探しの方へ~人形の東玉が選ばれる理由~
子どもの健やかな成長を願い、飾られる五月人形。
近年ではコンパクトサイズのおしゃれでモダンな色合いの五月人形(兜や鎧飾り)も人気の商品です。また、商品の種類も多数あり鎧飾りや兜飾り・ケース飾り・端午木目込人形など色々なシリーズもあります。その中で1つの商品を選ぶことは大変だと思います。この記事で家族の思いや願いを込めて飾られる五月人形を選ぶサポートが少しでも出来ればと考えております。
職人(甲冑師)による手作りで繊細なこだわりの兜飾りをご紹介致します。
兜づくりにはそれぞれの甲冑師により製造方法が異なります。どれだけ手間がかかっているか、またどのような素材を使っているか(部品の多さも含む)で高級な商品かを判断します。例えば、兜の金具部分を本金鍍金で製作したり、鋲を打つ数が多かったり、縅糸の色を多く使用したりと色々あります。細かくは、こだわりの作りの部分で説明します。
こだわりの高級兜飾りの製造方法とは
甲冑師とは
甲冑師とは甲冑(鎧兜)を製作する職人のこと。甲冑には、大鎧(おおよろい)、胴丸(どうまる)など種類があります。大鎧とは、平安時代から登場しその頃は騎馬の戦いが主であったため、馬上で動きやすい作りとなっています。大鎧は式正の鎧とも言われ、式正とは正式なという意味で最も格の高い鎧であることを指します。胴丸とは、平安時代後期に登場し大鎧よりも動きやすく(装備品の削減や草摺の枚数を増やす等)した鎧です。また、甲冑には京甲冑と江戸甲冑があります。京甲冑の特徴は華やかな装飾が施されていることです。純金箔が貼られた小札や西陣織の金襴を用いるなど京都の伝統工芸品が使用されています。江戸甲冑は実際に使用した甲冑がモデルになっていて、繊細な製作工程があります。小札の部分を1つ1つ手作業で付ける小札張りで製作し、鉢の部分はたたき出してはぎ合わせています。
親が子を思う気持ちや願いを甲冑に込めて職人(甲冑師)達は製作に努めています。
東玉で人気の五月人形「甲冑師」
繊細で卓越した技術をもつ東玉で人気の甲冑師をご紹介します。
別所実正
別所実正作兜は、彫金や鍛金の技術が際立つきめ細やかな鍬形台や機械製作が主流になっている兜鉢などのパーツや金具を手作りで製作しています。甲冑師として「お客様に満足していただけるもの」「自分ができる一番よいもの」を作り続けるという信念を持っています。繊細で壮大な実正の兜は伝統的な品格があります。力強さの中にある華やかさ他にはない重厚感など見る人の心に響きます。
平安時代から江戸末期までの甲冑、刀剣の研究に専念し、彫金切りまわし、鍛金等の技法を用いて甲冑の製作に取り組んでいる。
昭和29年 | 東京浅草に生まれる。 |
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昭和47年 | 甲冑製作に従事。 師は二世実正父親である。 |
昭和58年 | 独立。 三世別所実正を襲名する。 |
平成5年 | 川越喜多院所蔵 長持彫金金具修理。 |
平成11年 | 伝楠木正成公具足 三鍬形前立之兜付胴丸具足製作。 |
平成13年 | 徳川家康公「大黒頭布形兜」 豊臣秀吉公「黒漆馬蘭之兜」 黒田長政公「黒漆銀箔押之兜」を製作発表する。 |
平成16年 | オリジナル前立の創作兜を発表。 |
平成19年 | コンパクトタイプの伊達政宗公 兜を発表。 |
平成21年 | 石川県小松市「多太神社宝物の齋藤実盛の兜」を模写複製。 |
平成29年 | さいたま市「東玉」で初の個展。 |
別所実正のこだわりの作り
別所実正の製作工程
①兜の鉢(頭のところ)に鋲を止めるための穴の位置に、印をつけます。
②兜の鉢に一つずつ穴を開けます。
➂ 鋲を留めていきます。(かしめるといいます)
④ 鍬形台(角をさすところです)に彫金細工施します。
⑤ 銅板に鍬形の下書きをし鍬形の形を切り出します。
⑥ 切り出した鍬形の端を滑らかな形に整えていきます。
⑦ 彫金した鍬形台を切り出して、柄のみ残していきます。
⑧ 部品の接着はすべて銀蝋(ぎんろう)と呼ばれる接着の技法で行います。
⑨ 兜の小札を威す(縅毛を小札の穴に通すことを「縅す」と言います。)
⑩ 兜の鉢裏の布を鉢裏に合わせて手縫いし、兜を仕上げます。
全て手作業で作られています。
別所実正の兜飾り 5号金竜頭
金龍前立の兜は、龍頭と呼ばれる前立が最大の特徴です。10個以上の真鍮製のパーツを手作業で組み立て・接着した後に純金鍍金を施した龍は秀逸です。
商品詳細
別所実正の兜飾り 6号新総唐草
別所実正は、江戸甲冑師の中でも彫金を始めとした最上級の技術と妥協をゆるさない姿勢が高く評価されています。綿密な時代考証を背景に独自の世界観を生かした甲冑を世に送り出しています。新総唐草の兜は、鉢正面の「シロ」と言われる部分に唐草の透かし彫りを付けていることが最大の特徴です。唐草柄は、つるが四方八方に伸びてゆく様子が生命力の象徴とされています。サイズ感としては、コンパクトの分類になりますが、細かい部品ひとつまでこだわりを持って製作されています。
商品詳細
甲冑師:別所 実正(べっしょ じっしょう)
東玉の名匠「別所 実正」のその他の作品はこちらよりご覧ください。
加藤峻成
加藤峻成作兜は、昔ながらの技法や伝統を守りながら現代感覚の融合を取り入れています。兜鉢や小札版の形成など実際に兜が作られていた時代の技法を用いて手作業で仕上げています。東玉のオリジナル兜として彩りシリーズがあり、色鮮やかな兜は思わず心を奪われる存在感と趣のある兜です。
父、峻厳の指導もと、江戸甲冑伝統の技法にこだわり、新たな作品を続々と発表する。
今後の業界を担う、新鋭の若手甲冑師。
昭和53年 | 2月20日東京都文京区に生まれる。 |
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平成8年 | 高校卒業後18歳で、父峻厳のもと、甲冑製作の修行を始める。 |
平成17年 | 峻成を名乗る。(本名・一成) 東玉で作品を発表する。 |
平成19年 | 現代感覚ブロンズ小札之兜を発表。 |
平成20年 | 経済産業大臣指定の伝統工芸品 江戸節句人形の伝統工芸士に認定。 |
平成28年 | 現技術の最高傑作「極兜」を発表。 |
加藤峻成のこだわりの作り
① 小札貼り
「しころ」(兜の後ろ側)の部分も約500枚もの小札を一枚一枚張り付ける根気のいる作業です
② 革とじ
小札を全部張り終わった後は、よく乾燥させてから、皮をとじるための穴を開けます。なぜ革かというと、元々小札は牛皮でできていたためです。現在では和紙などが使われています。
➂ 威し(おどし)つけ
黒い漆を塗った「しころ」に、鮮やかな紐をつけます。源平兜は、この「しころ」が五段あるのが普通です。
④ 鉢造り
兜の各部分に取り付ける金具は、すべて手作りです。鍬形、鍬形台、眉庇などは糸ノコで一枚一枚造り、みがきをかけます。
⑤ 鍬形の加工をします。写真でだんだん光って輝きが増しているのがわかりますね!
⑥ 総仕上げ
様々な部品を組み立てて、兜が完成するまでには、約2週間かかります。この手間暇が兜飾りを一層輝かせて、端午の節句を彩る伝統の武具が現代によみがえります。
加藤峻成兜飾り 「青空」
「青空」は、お子さまが「晴れ渡る“青空”の様な気持ちの大きい人に育つように」との願いを込めて製作しました。斬新な白い鉢や小札が使われ、洋間にインテリアとして飾れる兜飾りに仕上がっております。「屏風飾り」「衝立飾り」と2通りの飾り方が楽しめます。
商品詳細
加藤峻成兜飾り 「大地」
「大地」は、重厚感のある茶塗の兜に、吹き返しに龍村裂を使用した品格のある兜飾りです。飾り方も「屏風飾り」とコンパクトに飾れる「衝立飾り」と2通りの飾り方が楽しめます。彩り兜シリーズでは一番の人気になっています。
商品詳細
甲冑師:加藤 峻成(かとう しゅんせい)
※掲載の作りは兜飾りの代表的な作り方です。全ての商品が必ずしもこの作り方とは限りません。
まとめ
お部屋の雰囲気に合わせてインテリア感覚で飾るおしゃれでモダンなコンパクト兜飾りが多く見受けられますが素材や伝統技法を用いて製作された兜も奥深く趣があると思います。職人(甲冑師)の思いがこもった兜を実際の店舗まで足を運び見に行ってはいかがでしょうか。作りの違いや品格のある力強い高級な兜を間近で見るのも楽しいと思います。