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岩槻総本店
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皆さんのご家庭では「こどもの日」に、「菖蒲湯(しょうぶゆ)」に入る習慣があるでしょうか?
この日には昔から、「菖蒲の葉や根」をお風呂に入れた「菖蒲湯」に入る風習があるのですが、それは5月5日が「こどもの日」だからでなく「端午の節句」だからなのです。
日本には「端午の節句」を含めた「五節句」というものがあります。
そして、それぞれの節句には「季節の草花」が象徴とされているのです。
1月7日:人日(じんじつ)の節句=春の七草
3月3日:上巳(じょうし)の節句=桃
5月5日:端午(たんご)の節句=菖蒲
7月7日:七夕(しちせき)の節句=笹
9月9日:重陽(ちょうよう)の節句=菊
どれもその季節に最もきれいに咲き誇っている花や、生き生きとしている植物を表していますよね。
昔の人がそれらの草花の力を借りて、自身の活力や免疫力を高めて「一年間何事もなく無事に過ごせるように」と願ったのも分かる気がします。
四季折々に様々な草花が咲き誇る、豊かな自然に恵まれた日本ならではの素敵な風習ですよね。
しかし、「端午の節句」の時期の植物は「菖蒲」だけではありません。
では、どうして「端午の節句」を象徴する植物が「菖蒲」になったのか、なぜ今でも「こどもの日」に「菖蒲湯」に入るのか、その由来をみてゆきましょう。
現在、こどもの日に「菖蒲湯(しょうぶゆ)」に入る意味や由来を知るためには、歴史の中で生まれ発展してきた【端午の節句と菖蒲の深い関係】をひも解いていかなければなりません。
まずは、「端午の節句」の由来だとされる、中国の歴史を少し覗いてみましょう。
「菖蒲湯」の由来は、もともと【菖蒲を使って邪気を祓っていた】古い中国の風習にあるとされます。
古代中国では旧暦の「端午の節句」の時期(現在の6月)は【季節の変わり目】で、流行病が絶えなかったり、大雨の被害があったりと「忌み月」とされていました。
そのため【月の初めの牛の日(端午)】に、菖蒲を使って穢れを祓い、無病息災を願う節句行事をするようになったそうです。
当時「菖蒲やよもぎ」などの薬草は【邪気を祓う効果】があると考えられ、家の門口に飾ったり、葉や根をお酒に浸して「菖蒲酒」にして飲んだり、といった風習があったといいます。
古代中国で「菖蒲がよもぎが邪気を祓う」と考えられるようになった理由は、それらの薬草のもつ強い香りによるところが大きいのでしょうが、菖蒲に関しては以下のような故事も存在します。
昔、中国で平舘王が不忠の臣を殺しました。するとその臣の魂が毒蛇となり、禍(わざわい)をもたらすようになりました。
なので平舘王が、頭部が赤く葉身の青い蛇の形をした「菖蒲」を裂き、それを酒に入れて飲んだところ、降魔の術を授かって毒蛇を退治できました。
しかし、この古代中国での菖蒲の役割が、現在「こどもの日」に入る「菖蒲湯」にどう繋がっていくのでしょう?
それでは、今度は日本の歴史を見てみましょう。
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中国を由来とする「端午の節句」の風習が日本に伝わったのは奈良時代頃だと言われます。
しかし、日本ではそれ以前から、この時期に「菖蒲」を使う風習があったのです。
昔の日本では「田植え」というのは、とても神聖なものでした。そして「早乙女(さおとめ)」と呼ばれる少女たちが田植えの役を担っていたといいます。
田植えの神を迎えるために「早乙女たち」は「菖蒲」や「よもぎ」で屋根を葺いた小屋に一定期間こもり、「菖蒲酒」を飲んだりして穢れを祓う「五月忌み(さつきいみ)」という儀式を行っていました。そうして早乙女たちは、神聖な存在になってから田植えをしていたそうです。
この「五月忌み」の名残として5月5日を「女の家」などと呼び、「女性のお祭り」とする伝承もあるといいます。
この「五月忌み」風習と中国から伝わった「端午の節句」が結びつき、その後日本で発展していく「端午の節句」に、どんどん菖蒲が不可欠なものとなっていくのです。
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奈良・平安時代の宮廷では【厄除け】として「菖蒲」を髪にさしたり、軒につるして【邪気祓い】をしたり、菖蒲やよもぎなどの薬草で作った「薬玉(くすだま)」を贈り合ったりしていたといいます。
他にも「菖蒲の葉や根」を煎じて飲んだり、枕の下にしいて寝る「菖蒲枕」として使ったりという風習もありました。
現在「こどもの日」に入る「菖蒲湯」が生まれたのもこの頃で、「菖蒲枕」で使った葉や根をお風呂に入れて、その香りを楽しんでいたようです。
鎌倉・室町の武家社会では「菖蒲の葉」の形が刀に似ている事から、「端午の節句」に菖蒲を飾っていたそうです。
さらには「菖蒲」が「勝負」や「尚武(しょうぶ):武を尊ぶ」に語呂が通じることから、「端午の節句」を「尚武(菖蒲)の節句」と呼んで「強さを願う男の子の節句」として祝うようになりました。
このように「菖蒲」は武家文化ではとても尊重され、鎧などに「菖蒲紋」を型どり「武運長久」を祈ったともいいます。
このように日本の歴史の中で「端午の節句」と「菖蒲」は深く結びつき、この時期の風習として定着したのです。
東玉では日本の文化として定着した端午の節句に飾る五月人形を豊富に取り揃えておりますので、ぜひこちらからご覧ください。
商品詳細
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ひとくちに「菖蒲」と言いますが、薬草として「菖蒲湯」に使われるものは正確に言うと「葉菖蒲」で、「花菖蒲」「菖蒲(アヤメ)」「杜若(かきつばた)」とは異なります。
「葉菖蒲」の花は「花菖蒲」のような紫色のきれいな花ではなく、黄色いガマの穂のような花が咲きます。「こどもの日」に五月人形と一緒に飾られるのは、紫色の「花菖蒲」のことが多いですが、「菖蒲湯」や「菖蒲酒」には「葉菖蒲」の方が使われます。
「菖蒲」には強い香りがあり、その葉や根は古くから漢方薬としても使われています。
実際、漢方医療では「菖蒲」のもつ成分には、血行促進や解毒作用、保湿効果などがあるとされます。
「端午の節句」の頃は、季節の変わり目でもあり、体調を崩しやすい時期でもあります。
だからこそ昔の人は、この時期に薬効効果の高い「菖蒲湯」に浸かり、体調維持に努めたのでしょう。
民間療法として菖蒲の根や茎や葉を小さく刻み、適量の水で煮沸したものを薬湯料として使用すると、神経痛、腰痛、肩こり、リウマチ、不眠症に効果があるといわれています。菖蒲に含まれている精油成分(菖蒲の香り)も、痛みを和らげる効能があります。菖蒲の香りは、自立神経を安定させるアロマテラピー効果もあり、身体だけでなく気持ちもリラックスできるという優れものなのです。
武家時代にはきっと、厄除けと薬効の目的で「菖蒲湯」に入り、「武運長久」や「無病息災」を祈ったのではないでしょうか。
「端午の節句」は生まれた男の子が【健康にたくましく成長する事を願う行事】ですから、病気や災害などにあわないよう「菖蒲湯」に願いを託したのでしょう。
古来より「菖蒲」がこの時期に用いられていたのは、成分分析などがない時代の人でも「肌で感じる薬効や効能」で、きっと「菖蒲」が体にも心に良いものだと分かっていたのでしょう。「昔の人の知恵」というのは、やっぱり凄いですね。
「こどもの日」が近づくと、花屋やスーパーなどで「菖蒲」の葉や根を束ねたものが売られます。
「菖蒲湯」は、この葉や根をお風呂に入れるだけなので、どこのご家庭でも簡単に出来ます。
「菖蒲の葉」をそのまま浴槽に入れるのが一番簡単ですが、もっと香りを楽しみたい方は、葉を細かく切刻んでからい入れると、より一層香りがたちます。
その時にはガーゼやネットの中に刻んだ葉を入れると、後始末が簡単です。
お湯は少し高めの温度にした方が、葉を刻んでも菖蒲をそのまま入れても、香りがよくなります。
なお、「菖蒲の成分」は肌にも優しいそうなので、赤ちゃんの入浴にも適していると言われます。
さらには「菖蒲」の精油成分には「リラックス効果」があるとされ、「アロマテラピー」にも使用されているといいます。また菖蒲の芳香には、「テルペン」という分類に属する多くの香り成分のほか、アザロン、オイゲノールといった香りの成分が含まれており、これらの成分は血行促進、疲労回復に効果があります。爽やかな菖蒲の香りを楽しみましょう。
「こどもの日」には家族みんなで「菖蒲湯」に入って、「厄除け・健康促進・リラックス」というのはいかがでしょう?
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東玉では伝統の端午木目込の可愛らしい五月人形を多数取り揃えております。
ぜひ、こちらよりご覧ください。
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現代は医学が発達し、薬草「菖蒲」に頼っていた昔よりも長生きするようになりましたが、大人ばかりか子供にとってもなかなか生きにくい時代で、「ストレス社会」ともいわれています。
そんな時代だからこそ、昔のような人と人との繋がりや家族団欒が大事になっているのではないでしょうか。
こどもの日には「菖蒲湯」に入ってリラックスし、季節の行事を通じてお子さまを中心に楽しく語り合い、家族の絆をより深めていただければと切に願います。
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