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雛人形の顔(かしら)は他の部分とは別に造られています

2023年11月30日

雛飾り

雛人形の顔(かしら)は他の部分とは別に造られています

雛人形の製作は特別な作家の作品を除いて、各パーツごとにそれぞれの専門の職人さんがおり製作されている場合がほとんどです。大きくは、頭(かしら)と呼ばれる頭(あたま)の部分と、胴柄(どうがら)と呼ばれる胴体の部分とに分かれます。
衣装着人形も木目込人形もほとんど頭の部分は、専門の頭師(かしらし)が製作しています。

また頭の製作の中でも、目や口や髪の毛の生え際などを描く頭師と、髪の毛を形作るのは結髪師がいて、頭師は頭本体が出来上がった後に、最終的に結髪師が髪を結いあげて頭の完成状態になります。雛人形のパーツの中でも、特に重要な頭だけでも膨大な製作工程になります。

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雛人形の顔はどうやって造られているの?

現在の頭製作の主流は、石膏頭(せっこうがしら)と言われるものです。初めに頭の原型を頭師さんが試行錯誤を重ね、よりよいものを作り上げていきます。次に、その原型を使い量産できるように型をとります。その型に石膏を流し込んで抜いて成型します。その後、成型した頭に胡粉を塗り仕上げていきます。型作りから抜きに至るまで 伝統的な技術を必要とする手作業で行います。

ベースが完成したら次に目切りという彫刻刀で、ガラスの目が入っている部分を切りだしてゆき、まつ毛・眉毛・口などを書き上げて、髪の毛の生え際を毛描き(けがき)し、最後に結髪して完成となります。

主流ではなくなりましたが 江戸時代より伝統的に受け継がれた技法を桐塑頭(とうそがしら)といいます。桐の木を粉にしてしょうふ糊で固めた生地に、ハマグリやカキの殻でできた胡粉(ごふん)を膠(にかわ)で溶き幾重にも刷毛で塗り重ね、その後、技術の必要な置きあげ(まぶた、ほお、鼻など顔のふくらみを持たせる作業)をし、目・鼻・口と彫刻刀で切り出していき仕上げます。

たいへん高度な技術を必要とするため、何十年もの修行が必要で、現在では高度な技術をもつごく少ない頭師による製作のため限られた数量の生産となります。大変貴重で、一つ一つ完全な手作りのため味わいのあるお頭となっています。

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雛人形の顔をつくる専門の作家・職人の匠の技

頭の作り方も過去は、衣装着人形と木目込人形には、入れ目・書き目などの明確な違いがありましたが、近年は境がなくなりつつあります。
現代風で小顔に大きな目のタイプ、上品で雅なやさしさを備えた美人タイプ、おぼこ雛と呼ばれる丸みをおびたあどけないタイプなど、現在はさまざまなタイプのお顔があります。筆仕事は墨をするところから始まっています。薄墨で同じ箇所を重ね書きし一本の線を表現していくため、濃くなり過ぎないよう、また線が乱れないよう細心の注意を払いながら進められていきます。高い集中力の求められる仕事のひとつです。

高級な雛人形では、髪の毛の生え際や眉毛・まつ毛などの筆で書かれている部分の筆を入れる回数が100回近くになるなど、技術と根気のいる作業や、ガラスで出来た目は胡粉が塗られた状態では、表からは見えませんが、そこに目切りと言って彫刻刀で切り出して目が見えるようにする作業などがあり、職人の技術により面相の表情が変わってくるため、頭師の技術の違いがあらわれます。
衣装着人形の頭は豪華で大人びた印象のお顔、木目込み人形のコンパクトで可愛いボディには可愛らしい赤ちゃん顔のお顔が付いていることが多いです。最近では衣装着でもコンパクトなタイプのお人形には可愛らしい赤ちゃん顔のお顔が付いていることも多くなってきました。お顔の好みは人それぞれですのでお気に入りのお顔が見つかるといいですね。

東玉の匠による美しい顔の雛人形たち

衣装着頭師 大塚玉映

昭和十八年  埼玉県岩槻市に生まれる。
昭和三十五年 頭師の第一人者、父 大塚喜一に師事。頭製作の修業を始める。
昭和六十三年 皇太子妃殿下清子内親王殿下に人形製作の御見学を賜る。
平成十年   東玉 匠頭を発表し、好評を博す。
平成十三年  伝統のを復活製作し話題となる。
平成十六年  江戸時代の享保雛の頭を、桐塑で復活製作。
平成二十五年 天冠付き桐塑頭を製作発表する。

人形職人の家に生まれ、幼少の頃から自然におひなさまにふれてきた。母が子を思うように、小さなお人形も末永く可愛がって下さる方の側にいてほしいと願いつつ、心を込めて製作を続ける。

衣装着頭師 大豆生田 博 (おおまみうだ ひろし)

昭和四十二年 埼玉県岩槻市に生まれる
昭和六十三年 人形師 安生仁一氏に師事した実父・峰山の下頭製作を始め技術を研鑽
平成二十一年 経済産業省指定伝統工芸品・岩槻人形の伝統工芸士に認定(頭部門)
平成二十一年 第四十九回東日本伝統工芸展に入選第五十六回日本伝統工芸展に入選
平成二十二年 第五十回東日本伝統工芸展に入選
平成二十七年 雛匠 東玉にてオリジナル新頭を発表し好評を得る

木目込み頭師 井野守也

昭和五十年 頭師を始める
平成八年 伝統工芸士に認定 胡粉による置き上げ彩色を得意とする
令和元年 令和天皇即位に際し埼玉県より献上御品の江戸木目込人形の頭・加飾に携わる

埼玉県知事賞 県美術家協会会長賞 (日本芸術院会員) 他多数
埼玉県美術展覧会審査員 等

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