木の温かみを感じる木製の雛人形の魅力
3月3日、ひな祭りに欠かせないのが「雛人形」。
最近では、色々な種類の雛人形が販売されており、伝統的な雛人形から、モダンな要素を取り入れた陶器製や木彫りの雛人形まで様々です。
しかし、ひな祭りは日本古来から伝わる伝統行事ですから、せっかく雛人形を飾るなら、やはり「木の温かみ」があり、日本らしいぬくもりを感じさせてくれるものが良いですよね。
実は木製の雛人形の中でも3つほど種類があり、それぞれ全く違う良さを持っています。そこでここからは、木製の雛人形につき一種類ずつ詳しく見ていきます。
3つの木製雛人形を比べて、あなたの雛人形を探してみてください。
なお、本記事にて記載の東玉標準価格は2021年9月時点での価格であり、価格の変動がある場合がございますのであらかじめご了承ください。
木彫り(一刀彫)の木製雛人形の説明と特徴
まず一つ目は、「木彫り」タイプのおひなさま。最近、ランキング上位にも選ばれる「一刀彫」とよばれる人形もそのうちのひとつです。従来は季節のインテリアやギフトとして喜ばれてきました。現在では雑誌などメディアにも取り上げられることが増え、初節句としてのニーズも高まっています。
木彫り雛人形の歴史は長く、ひな人形のルーツといわれる京都の「賀茂人形」も柳の木を彫って作られました。木材を雛人形の形に木彫、彫刻、着色することで作られます。木材の良さを最大限生かすことのできる木彫りらしい、作家の個性を生かした温かみと優しさを感じさせるデザインが魅力的です。木彫のため、ペットがいるご家庭や、いろいろな環境の条件にも適応しやすい安心・安全なお人形といえます。価格も従来のお雛様と比較しお安いことも人気の理由です。
一刀彫、木彫り人形で有名な産地は奈良や愛媛(伊予)などがあげられます。近年、有力なメーカーに、伊予一刀彫系の「南雲」作などがあげられます。
木彫りの雛人形のデザインは様々。ポップにデフォルメされているものから、積み木などのおもちゃとは違い、まるで生きているかのように精密に作られているものもあります。また伝統的な内裏様よりコンパクトな人形のため、立ち姿のお雛様や五人囃子や三人官女付の、多人数飾りのセットも多く、雛祭りを楽しく彩ります。
とはいえ、素材自体はそれほど繊細ではないため、手入れや管理の必要性も少なくて済みます。ひな祭りの期間だけでなく、またコンパクトで30cm以下のセット飾りも多く、メーカーからの送料が無料の場合も多く、常時インテリアとして置いておくことができる点も嬉しいですね。
一方で、木彫りの雛人形は「和の歴史や美意識の再現」という面を追及しているわけではありません。
もともと初節句に飾るひな人形は、木目込み人形や衣裳着人形などの伝統工芸品がのため、再現度の高い和服や髪などのデザインを通じて「日本の和の美意識」をお子さまに伝えたいのであれば、木彫りの雛人形では不十分な場合がある点に注意しましょう。
組木の木製雛人形の説明と特徴
木製の雛人形には、遊びの要素を採り入れた「組木」タイプの雛人形もあります。
組木の雛人形は、容器に収まっている木製の人形を取り出すことで飾る雛人形です。
特にちいさなお子さまに向けた雛人形で、繊細なためあまり触れない方が良い伝統的な雛人形とは違い、手を動かして遊びつつ雛飾りを作ることができます。
また、片付けの際にも容器への収納もパズルゲームになるタイプもあり、すべてが「遊び」となるような仕組みが魅力的で、デフォルメされた可愛らしい雛人形は、インテリアにもピッタリ。
もちろん、木彫りの雛人形と同様、雛人形を通じてお子さまに和の美意識や日本の歴史について教育したい場合にはあまりおすすめできません。
しかし小さなお子さまに、ひな祭りを純粋に楽しんでほしい場合には、もってこいの雛人形です。
木目込みの木製雛人形の説明と特徴
最後に、「木目込み(きめこみ)」の雛人形について見ていきましょう。
木目込みの雛人形は、最も一般的な「衣裳着人形(いしょうぎにんぎょう)」と並ぶ歴史のある木製雛人形です。
木目込み人形は、古来から伝わる次のような伝統的な製法で作られます。
まず、桐の木を細かく砕いた粉末に「正麩糊(しょうふのり)」を加えて粘土状にした「桐塑(とうそ)」で人形の胴体を造形します。
この胴体に彫った細い溝に、職人の精密技巧で衣装となる布の端々を押し込む(木目込む)ことで仕上げるのです。
これまでの2種類とは違い、木目込みの雛人形はデフォルメされている場合の方が少なく、どちらかと言えばより再現度を高めることに力を入れています。
衣裳には本物の和服が用いられることも多く、繊細な表情や髪の毛などにも徹底的に拘って作られます。
人形職人の技巧によって、過ぎ去った時代が鮮やかによみがえるのです。
精密に作られている分だけ手入れの手間がかかってしまうのですが、その手入れを通じて「伝統」に触れることで、お子さまにとって大きな学びを得る機会にもなります。
このように、木目込みのお雛様なら、お子さまに日本の美意識を受け継いでもらう教材としても、この上なく上質なものになるでしょう。
一度身につけた日本の「和の美意識」は後から誰にも奪い取ることはできない、お子さまの一生の宝となるのです。
伝統の雛人形・木目込人形 東玉の匠の技の結晶
他の木製雛人形と比べると、「和の美意識」を重んじて、お子さまにそれを受け継いでもらいたい場合にはやはり木目込みの雛人形が最適です。
そこで、東玉で取り揃えております、選りすぐりの木目込み雛人形について3点ご紹介いたします。
1)木目込人形 喜久絵 収納飾り「真愛B」
- 可愛らしいアイボリーとピンクの収納箱に喜久絵作『桜華雛』をセットしました。優しいお顔にあわせ厳選された衣裳の木目込人形は見るほどに愛着がわきます。つるされた青い桔梗のつまみ細工がいっそう人形を引き立てます。
商品詳細
2)木目込人形 喜久絵 収納飾り「柑愛刺繍A」
- 優しいミントとピンクの衣裳に桜の刺繍が施され、小さいながら存在感のある収納飾りに仕上がりました。気品あふれる金屏風と木目の飾り台がリビングなどの洋間によく合います。間口35cmで飾ることが可能なコンパクト収納飾り。
商品詳細
3)木目込人形 喜久絵 親王飾り「桜子」
- 木目込人形 喜久絵 親王飾り「桜子」:思わず笑みがこぼれる表情の愛らしさが喜久絵のひな人形の一番の特徴です。丸みを帯びたお顔と造形、衣裳は華やかな金彩友禅を身に纏っています。飾り台と屏風は、材料に桐材を使用した65cm間口の豪華なセッティングです。
商品詳細
関連ページ:「東玉の【木目込人形】商品一覧」
現代の住環境に合う木製雛人形で初節句
木製の雛人形にも3つの種類を見てきましたが、お気に召されたものはございましたか?どの木製雛人形も、小さなサイズの人形が多く、最近の住宅事情にも適合できる人形たちです。広間に大きな七段飾りを飾ったりとかは、難しくなってきている現代、リビングの棚の上や、玄関などにもお飾り頂けると思います。
どれも木材が持つ温かみを活かしていますが、全く違う良さがあります。
一つに絞らず、例えば「組木雛人形」と「木目込み雛人形」の組合わせなど、お子さまの年代や目的に合わせて複数購入してみても良いかもしれませんね。”組木”の雛人形は、塗料など使ったりしていますが、お子様の安全に考慮した染料が使われていたりしますので、普段使いのおもちゃとしても、ご利用いただけると思います。”雛祭り”に拘らず、日頃から、”お雛様”に親しんで頂けると思います。
特に木目込み雛人形は、お子さまへ「人形」を買い与えるのではなく、日本の美や歴史と文化を学ぶ機会を与えてあげることに通じます。
日々国際化の進む社会では、自国の文化を身に着けている事がアイデンティティとして重要です。お子さま、お孫様の世代ではさらに進む国際交流の中で、自らを見失わずに、日本の文化と歴史をきちんと理解し伝えることができる。そういった学びを雛人形から得ることができるでしょう。