有職雛と普通の雛人形の違いは何?

2023年11月25日

雛飾り

有職雛と普通の雛人形の違いは何?

一般的に雛人形は、金糸をふんだんに使った京都西陣織りの豪華な印象の生地が特徴です。

それに対して、有職雛(ゆうそくびな)とは、有職故実(ゆうそくこじつ)という平安時代から始まった“決め事”に基づいて公家の装束を忠実に模して作られた雛人形です。衣裳も小さくつくられているだけで、実際の大人のものと変わりがない正確さです。このように衣裳形式から髪型まで公家礼式の忠実な再現でつくられている有職雛ですが寛永雛や享保雛などの町の雛とは異なる独自さをもちます。端正な公家顔をはじめ、その容姿から醸し出される気品はまさに典雅。雅な京の雛遊びと子どもの健やかな成長を願う想いが相まって生まれたお雛様ではないでしょうか。
イメージとしては、神社の宮司さん神主さんが着られているような衣装で、金糸はあまり使わずに、文様を規則的に並べた織物でつくられています。

そもそも有職とは有職故実(ゆうそくこじつ)のことで、平安時代に公卿たちが有識者たちを集めて、行事、儀式のやり方や作法、住居、調度、衣服などの生活用具に於ける決まりをつくりました。そのため「有職雛」は、公家や大名の着る装束を正しく考証して作られた雛人形のことをいい、公家の装束は身分や年齢・季節によって違うので、これに合わせて裂地を選び、文様を人形用に別織りにして衣装に仕立てます。

ここでは、有職雛について色々と説明していきます。

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そもそも有職雛とは?読み方や歴史について

有職は「ゆうそく」または「ゆうしょく」と読みます。有職雛は江戸時代中後期、宝暦・天明文化(1751年~)の頃つくられた雛人形です。宮中の装束を受けもっていた高倉家、山科家にちなんで「高倉雛」「山科雛」ともよばれていました。わざわざ人形用に布地を織って衣装に仕立てます。

この時代の有職雛は一般の人が飾る人形ではなく、公家や大名家で飾った雛人形でした。宝暦12年ころ、天皇家が山科家に雛人形の束帯を注文されたと記録が残っています。有職とは、季節や年齢、地位によって装束が替わってくるので、お人形も着せ替えが出来るものがありました。とても、手間をかけてつくられた、写実的な贅沢な雛人形でした。

有職雛のお顔の特徴

有職雛は少し面長で、白いなめらかな肌に、細い切れ長の目が特徴です。女雛の髪型は御垂髪(おすべらかし)で小さい口に紅が引かれて、お歯黒をすることも習慣でした。

その時代のお顔は高貴な表情の中に笑みが感じられ、見る者を包み込む魅力があります。現在の京都の雛人形のお顔の基になっているお顔立ちです。

有職雛の衣装(文様)の特徴

その時代の有職雛の衣装は、一番は儀式でお召しになる正装で、男雛は衣冠束帯(いかんそくたい)、女雛は十二単(じゅうにひとえ)です。

つぎに、勤務服といわれる衣冠(いかん)と、普段の服装の直衣(のうし)姿のお雛様がよく見られます。柄と文様は、植物、動物、雲や波などを丸や菱形、亀甲、立涌などと組み合わせています。色、柄、形が、地位や年齢、季節、場面、礼式によって決め事があります。

東玉おすすめの有職雛

東玉でもこの美しい有職雛を、多くお取り扱いしております。
伝統的で凛と美しいおすすめの有職雛を使用した伝統の木目込人形の賢一をいくつかピックアップいたします!

  • 木目込人形 賢一 親王飾り「以和喜 黄櫨染」
    鋭角に跳ね上げられた袖口、丸く突き出した膝など賢一独自の造形を生かす高貴な有職の衣裳。殿は凛々しく口を結び、姫は少し口をあけた優しい笑顔の表情に仕上げた阿吽(あうん)の呼吸のお雛さま。お殿さまの衣裳は、皇室ゆかりの「黄櫨染」を使用しております。

商品詳細

  • 優雅 親王飾り「華御所」
    即位の礼で使用された『黄櫨染』の衣裳をモチーフに、伝統的な色・柄を使いながらもモダンさを感じさせるひな飾りです

商品詳細

優雅 親王飾り「華御所」

優雅 親王飾り「華御所」

187,000円(税込)

幅75×奥行40×高さ51cm

  • 東之華 立雛「黄櫨染立雛」
    伝統的な柄や古来より縁起が良いとされる五色を重ねに使用しておりますが、仕立てや色使いに東之華の世界が垣間見えます。

商品詳細

東之華 立雛「黄櫨染立雛」

東之華 立雛「黄櫨染立雛」

357,500円(税込)

幅65×奥行40×高さ53cm

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まとめ

今も有職の衣装のお雛様は京都の人形師さんを中心につくられています。

日本古来から現在まで続く有職故実を基につくられたお雛様は、伝統を超えた魅力が感じられ、決して派手ではないけれど、お人形の持つ気品と存在感が特徴といってもよいのではないでしょうか。
お子様には少し落ち着き過ぎていると思われるかもしれませんが、飽きることなく、長く大切にしていただけるお雛様でしょう。

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