ひな祭りは3月3日、雛人形はいつまでに出す?しまい遅れると婚期が遅れる?
ひな祭り(桃の節句)の行事が近づいてきました。
一体いつ頃から雛人形を出すの?そしていつ頃しまえばいいの?
雛人形をしまうのが遅くなった分だけ、婚期が遅れるといわれるけれど、本当にそうなの?
女の子のお祝いなのに、時期においてタブーがあるのは心配ですね。
そんな心配をここで解決・紹介しておきましょう。
雛人形はいつまでに出す?
立春(節分の翌日、2月4日ごろ)から2月中旬にかけて飾るのがよいと言われています。
節分で豆まきをして厄を払ったあとに飾る雛人形は立春を迎えて季節が春になったら、いつでも飾って良いとされます。
一般的には、節分の翌日の立春から飾り、雨水までに飾るといいとされます。
雨水(うすい)は二十四節気に数えられ、「雨水(あまみず)がぬるみ、草木が芽吹き始めるころ」とされます。雨が降ればもう雪にはならず、草木もあたたかい春を待っていたように萌え出づる季節です。
また、雨水に雛人形を飾ると、良縁に恵まれるという言い伝えもあります。まだ生まれたばかりの女の子に良縁なんて早すぎる!とパパの声が聞こえてきそうですが、良縁とは結婚のことだけでなく、生きていくうえで様々な人や物事と縁を結ぶことです。縁起のいい言い伝えは取り入れて、雨水のころに早く飾って、長く楽しみたいものです。
雛人形はいつまでにしまう?
さて、よく話題になる「早く片付けないとお嫁に行けなくなるよ」というのは、ご存じの通りなにもそんな力が雛人形に宿っているわけではありません。
雷が鳴ったら、雨が降ったとき子供の体温が奪われないように「雷様におへそを取られるよ」とシャツの裾をズボンやスカートの中に入れさせるのと一緒です。わが子のことを思っての言い回しですね。簡単に言えば「お片づけをちゃんとできる人間になりましょうね」という意味です。
しかし片付けができないことが原因で嫁ぎ先がなくなるということは、女性の家庭的役割を重んじる日本ではあながち嘘ではなかったのかもしれません。大人になってもきちんとお片づけできない女性ははずかしいですよということです。これは女性に限らず男性でも同じことですが、端午の節句には同じように言われることがありません。男性にも子供のころから同じような教育の場があると望ましいですね。
また、女の子は早く結婚することが幸せだと思われていた時代の名残りから、「早く片付く(結婚する)」ように、との願いを込めて言われたという説もあります。あまり褒められた言い回しではありませんが、どちらにせよ、女の子の幸せを願ったという点で、わが子わが孫を大切に思う気持ちは、今も昔も変わりはありません。ちなみに、ひな祭りを含めた日本の伝統行事はもともと現在の暦より約一月ほど遅い「旧暦」で行われていました。ひな祭りは「桃の節句」とも呼ばれているとおり季節で言うと、桃の花が咲き始める頃の行事でした。旧暦でいうところのひな祭り(上巳の節句)は、少しゆっくりめの4月上旬から下旬となります。元来の旧暦を基準に、雛人形をゆっくりお楽しみいただくのもおすすめです。
さて、それよりも現実的に大切なことがあります。
3月3日が過ぎたからといって、お片づけを慌てることはありません。
雛人形の保存にはいくつかの注意点がありますが、一番の大敵は「湿気」です。
箱の中に湿気が入り込まないように、雛人形は、よく晴れて、空気の乾燥した日を待ってからしまうことが、雛人形を良い状態に保つために大切なことなのです。
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雛人形はいつまで飾るものなのか?
さて。初節句はもちろんご親族やお客様をお招きしてみんなでお祝いをするものですが、女の子が何歳になるまで飾り続けるものなのでしょうか。
女の子の無事成長を願うという意味から考えると、雛人形の持ち主である女の子が無事大人になったら、ひとまず雛人形はお役目を果たしたことにはなります。
が、いつまでも飾り続けてはいけないということは全くありません。可能な限り、毎年飾り続けられたら素敵なことです。
その女の子が結婚して家を出ることになったら、雛人形を新しい家に一緒に連れて行ってもいいですし、それがかなわなければ、ご実家でご両親やご家族が飾り続けてもいいのです。
女の子の成長を見送った後は、雛人形は女性の幸せと健康を願うという意味で飾りましょう。
もし自分だけの雛人形をお持ちになったことがない女性は、大人になってから、ご自分のための雛人形をお求めになってもいいのです。
ただ、家族が増えたりお引っ越しなどで、しまう場所や飾る場所がとれなくなるなど雛人形を手放さなければならなくなったとき。こんなときも、人形の東玉のある岩槻では「人形のまち岩槻人形供養祭」があります。飾れなくなったお人形、壊れてしまったお人形、大切にされてきたお人形に、感謝の心でお別れします。