雛人形の片付け方!片付けるのが遅いと婚期を逃すって本当!?噂の真相も解説
みなさんのお家にある雛人形は、どのようなタイプでしょうか? ケースに入ったタイプでしょうか。それとも段々になっている大きなタイプでしょうか。
この記事を読んでいる方の中には、楽しかったひな祭りが終わって数日が経っている方も居ることでしょう。
そんなひな祭りにまつわる言い伝えとして有名なのが「雛人形を長い間片付けずに居ると、婚期が遠のいてしまう」というものですが、この言い伝えはどんな由来があるのでしょうか?
それから雛人形はいつ、どのようにして、どこに保管して、どのようなお手入れが必要なのでしょうか?
本記事では、そのような雛人形の片づけ方について詳細に解説いたします。
「雛人形の片付けが遅いと婚期が遅れる」というのは迷信ですが・・・
まず「雛人形の片付けが遅いと婚期が遅れる」とよく言われていますが、これは迷信の類と言わざるを得ません。
確かにお内裏様とお雛様は仲睦まじく、互いに寄り添ってお座りになっています。雛飾りは天皇皇后両陛下のご婚姻の儀式を模したものです。
しかし、雛人形の由来はそもそもが「お子様の成長を祈願するもの」であり、それと同時に「厄払いなどの道具」として発展してきたものです。
では、なぜこのような言い伝えが、多くの方に信じられるようになったのでしょうか?
「お子様に、雛人形を自分でしまえるようになってほしい」つまり、「大切なものを、正しく片付けられる」きちんとした大人に成長してほしいという親御さんの思いからきたものと考えられます。
つまり、この迷信は「しつけ」の意味で言われるようになったものです。
「雛人形を片付けること」を「掃除やお片付け=家事」として教え、お子様へしつけることが目的であったのです。
雛人形の片付けはいつがいいの? 基本的には晴れの日がおすすめです
それでは雛人形を片付けるのは、いつ頃がよいのでしょうか?
実は、雛人形を片付けるにあたって、とくに期限があるという訳ではございません。
ただし、雛人形は繊細に作られた人形ですので、収納に適した天気はございます。
雛人形の片付けには晴れの日が適しています
雛人形は、素材の多くに布や木など「自然由来のもの」を多く用いて作られています。特に布や木などは湿気に弱い材質です。
そして雛人形はほぼ1年中しまったままになりますので、収納の際に湿気が混入してしまうと、雛人形が傷んでしまう原因になりかねません。
せっかくの雛人形が湿気で黄ばんでしまったり、カビが付いてしまっては大変ですから、晴れた日が雛人形の片付けには適しています。
雛人形の片付けは雨の日でも除湿機を活用して対応できます
ただ私たちのいる現代では「除湿機やエアコン」で湿気は簡単に取れますので、そこまで神経質になる必要はございません。
雛人形を片付けるときは晴れていれば好都合ですが、雨が降っていても除湿機能を利用して対応できます。天気予報で雨の日が続いてしまうときなどは除湿機をうまく活用して、雛人形の片付けを行うとよいでしょう。
地域によっては片付ける時期が決まっているところもございます
雛人形を片付ける時期は、地域によって差異が見られる場合がございます。
一部の地域では旧暦の3月3日まで雛人形を飾り付けたまま過ごすというところや、二十四節気の啓蟄(けいちつ3月5日・3月6日~3月20日・3月21日)までに片付けるという地域や、清明(せいめい4月4日~4月5日)頃までに片付けるという地域もございます。
また、家庭によっては伝統的にいつ片付けるかを定めていることもございます。
お住いの地域や家庭の事情に合わせてお片付けをされるとよいでしょう。
雛人形の片付け方は「慎重」に「丁寧」に。東玉の雛人形にはケア用のまごころセットが付いています
それでは実際に片付けをするには、どうすればよいでしょうか。
まず、注意していただきたいことが「雛人形を直接素手で触れないこと」です。
雛人形は精密に造られていますから、人形の地肌に手で触れてしまうと黄ばみの原因になったり、油汚れが付着して取れなくなったり、傷みの原因となるおそれがございます。
片付ける際は雛人形を観察して、
- 水気や水滴が付いていないか
- チリや砂クズが付いていないか
- ワタボコリなどが付いていないか
を、雛人形ひとつひとつ丁寧に確認してください。
なお、東玉の雛人形には「まごころセット」が付属しています。
このまごころセットでは「毛バタキ」、「白手袋」、「雛人形用防虫剤」が一緒になっていますので、雛人形をしまう時に大変便利です。
少量のホコリやワタボコリは毛バタキを用いて落とし、水滴はこすらないように気をつけながら、ティッシュペーパーなどで優しく吸い取ってください。その際、力を入れないようにご注意ください。
そして雛人形をお半紙で優しく包み、収納ケースに保管します。
その際、付属の雛人形用の防虫剤は使いすぎないようにしてください。
量が多いと防虫剤の匂いが雛人形に移ってしまいますので気をつけましょう。
雛人形を片付けた後、収納する場所は直射日光を避けてください
「雛人形の汚れを毛バタキではたき、水気を拭き取り、防虫剤と一緒にケースに入れる」雛人形の片付け準備はこれでできました。
しかし、雛人形を片付けた後に「どこに保管するか」がとても重要なのです。
雛人形はとても精巧なものですので、丁寧に扱う必要があり、1年に数日間しか飾り付けませんので、常に目に見えるところに置いておくこともできないでしょう。
直射日光も雛人形の大敵で、衣装の変色や人形の劣化の原因となります。 また、寒暖差の激しい場所も避けてください。 湿気の少ない日当たりの良い部屋で保管しようと考えている場合は、直射日光が当たらず寒暖差の少ない日陰を選んで収納しましょう。
- 直射日光が当たらないところ
- お風呂場やトイレなど水場の近くではないところ
- 室内で、かつ温度や湿度が一定のところ
特に押入れや物置などで保管される方は、この3点に注意なさってください。
直射日光が当たると稀に、雛人形の肌質に黄ばみやひび割れなどをきたすことがございます。
またせっかくの衣装に水滴がつくと、シミや、にじみになったりカビが生えてしまうこともございます。
温度の方も、西日の当たるところや南向きは避け、北側に保管すると問題ないでしょう。
雛人形にとっても快適な保管場所とは、「普段みんなが過ごしている空間と似た環境である」と考えるのが分かりやすいかと思います。
雛人形を片付ける際に、もし大切な雛人形が破損していたら?
雛人形を片付ける時は、雛人形の破損に気がつきやすい時でもあります。
雛人形自体の破損や汚損、御道具の紛失などの際は、雛人形を修理に出して直してから綺麗にしまいましょう。御道具は追加で購入することができます。
雛人形は愛らしく、ついつい飾ったままにしたいと思う方は多いのではないでしょうか。雛人形は「いつまでに片付けるべき」というものはございません。ついつい「もう少し…」と、片付けを先延ばししてしまう方もいらっしゃるでしょう。
ですが、雛人形は繊細な雛人形ですので湿気に弱いのです。
4月中旬を超えてしまうと、雛人形にとってどんどん悪い条件になっていきます。
ですので、どんなに長くても、その頃までには雛人形をお片付けしていただければと思います。
最新の注意を払い、優しく丁寧に扱い、綺麗に飾りつけて、綺麗に仕舞う。色々な事に注意を払いながら、人形と親しみながら慈しみ、そしてやさしい気持ちを育んでいく事も、”ひなまつり”の大事な意義かもしれません。