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雛人形は繊細なので、ダメージを直すには熟練の職人による修理が必要です

2022年12月25日

雛人形の飾り方

雛人形は繊細なので、ダメージを直すには熟練の職人による修理が必要です

かってお人形を倒してしまった時には壊れていないかと、ひやひやした。
そんな記憶のある方、いらっしゃるのではないでしょうか。

初節句の「わたし」の雛人形。一緒に並べて飾ってきた、歴史ある「母」の雛人形。
去年もいつも通りに片付けたはずなのに・・・。
お顔にシミが出てきたり、髪の毛が乱れてしまったり。着物の色が焼けてしまったり等。

たくさんの思い出も詰まっている人形たち。これからも飾ってゆきたい、しかし傷んでいる箇所を見ていると“直しができたらいいのに”と思っている方に少しだけ、お話させていただきます。

どうしても気になる箇所のある方は、まず購入したお店に対策を尋ねましょう。長い時代を経た上質なお人形たちは手を加えすぎてしまうと、新たなお人形として生まれ変わってしまうこともあります。
人形専門の職人に相談すると、味わいの増したお人形を無理なく気になる箇所だけを目立たなく修理して下さいます。修復ではないので、新品のようになるわけではありませんのでお気を付け下さい。

修理は原則、実物を拝見してからの確認・ご相談となります。
相談する時期はお人形を飾り終えた5月頃~11月までにすることをお勧めいたします。意外に思われるかもしれませんが、修理はたいへん混み合うものです。平均して2~3か月お預かりいたします。これは職人が通常の作業の合間に、修理と同じ工程の段階で作業を進めるためです。金額も気になる部分です。各修理内容によって差があるので、一概に申し上げられせんが、数千円~一万円台で可能なことが多いようです。ご希望でしたらお見積りのご相談をされてみてはいかがでしょうか。

なかには修理のできないものもありますので、次の項目でご説明させていただきます。

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雛人形の修理ができる部位

まず、修理のご相談で多いものが

・お顔の汚れ
・髪の乱れ
・衣裳のほつれ

です。顔の汚れは表面に擦れたようなものから、シミ、ぶつかった時に出来るキズ、乾燥などによるひび割れなどがあります。
いずれも現段階では、東玉では職人を抱えておりますので修理が可能となります。
古くなればなるほど色の変化が出てくる部分ですので、難しい作業となります。お顔の修理には胡粉という白い塗料が必要な作業の為、直しには時間がかかります。

またシミの修理後は湿気に気をつけて保管しましょう。できるだけ高い位置にしまい、人形を汚さないよう、白い紙などで新聞紙を包み、同梱しておくと新聞紙が湿気を吸う効果もあるのでシミ・カビ対策にお勧めです。

髪は毎年出し入れしていると、自然とどこかに乱れが生じてきてしまいます。
1~2本でしたらご自身で、人形の髪の根元から切っても差し支えありません。もし大幅に乱れてしまったり、カビの発生、玉串(頭部の飾り物)の損傷などの場合はご相談ください。髪のとかし直し、髪の全面的な植え替えなどで対応可能な内容となります。
ただし、髪の毛の材料となる糸質が変更になることもあります。古いものになりますと、玉串のデザイン・大きさに若干の違いが発生することもあります。

衣裳のほつれはある程度なら可能となります。
ただ、修理でお預けしても完璧な状態にはなりません。なぜなら昨今のお雛様の衣裳が豪華絢爛だからです。華やかな衣裳になるためにはたくさんの色糸や金の糸を使います。反物の段階では何の問題もない織物ですが、人形に着せるとなると、織り込んだり、加工しなければなりません。その際に、どうしても糸にゆるみがでたり、切り口の飛び出しが見られます。
飛び出している糸は、ご自身で糸切ばさみなどを使い、切っても差し支えありません。

雛人形の修理ができない部位

雛人形の修理ができない部位

左右非対称・衣裳の着せ替えについての修理相談は非常に難しく、東玉では対応をお断りさせていただいております。
左右非対称、これはやはりひとつに手作りであるがゆえの、難しさです。私たち、生身の人間も、完璧な左右対称な人がいないのと同じことです。こちらのご相談には交換での対応をしております。その際には人形の衣裳等の一部に、変更の可能性があること・限定商品の購入であった際には同じ商品での交換が難しいことを念頭に置き、ご相談いただければ幸いです。※部位(頭・手・胴)の交換で可能な場合もございます。

また、衣裳着人形でも木目込人形でも衣裳の交換は承っておりません。
衣裳着人形(女雛)の裳袴(もばかま)のみの交換ができる場合もあります。
原則、不可能となっております。
これは部分交換を行うと他への損傷をきたしたり、年数の経過したお人形になってくると全体の色調が合わなくなるためです。

修理に関しましては一度こちらのお問合せフォームよりご相談ください。「お問合せメールフォーム」

修理ができなかった場合に雛人形はどうすればよいか

ここまでよくある修理のご相談についてお話してまいりました。
人形専門店に相談をすれば、何らかの対応、相談に乗ってもらえることがお分かり頂けたかと思います。しかし、自身の希望するように修理ができなかったときはどうしたら良いのでしょうか。飾ることをやめてみるのか、それとも処分してしまおうか・・・。

思い返してみてください。「修理してもらったら、もう一度飾れるかな…」と思うのは、それだけ人形に愛着があったのです。我が家に届いてから短・長期間にかかわらず、人形に意識が向いたからこその想いからです。
このお人形には、いままで守ってもらった感謝をして、またご縁のあるお人形を購入してみるのも、ありです。
残念だけれども、これを機に人形供養に出そうか。それもひとつです。

人形供養

古来、節句に飾る雛人形は、持ち主の厄(やく)をかわりに受けて守ってくれると考えられてきました。
たとえば、お内裏様の頬に傷が出来てしまった・・・。これはもしかすると、持ち主が転んで怪我をする代わりにお人形が受けてくれたのかもしれない。もしくは持ち主の怪我が浅くてすんだのかもしれない、と考えてきたのです。

古くなったり壊れたりした人形を集め、読経して焚く「人形供養」の起源は大正時代の頃だと言われています。意外と新しい文化ですね。

人形供養

人形供養祭

今では各地域でも供養祭が行われていますが、“お顔のある人形”は、何か不要なものを手放す「断捨離」とはまた違い、思い出と併せて捨てることに罪悪感を抱えてしまう方もいらっしゃいます。「人形供養」とは、文字通りお人形などを供養する日本古来の文化です。元来日本では「万物に神が宿る」という考え方があり、お人形にも魂が宿ると考えられてきました。その大切にしていたお人形との別れに際して今まで成長を見守ってもらった感謝の意を込めて供養するという習慣が生まれました。

人形の町・岩槻では毎年11月3日に『人形供養祭』を開催しています。
飾れなくなったお人形や壊れてしまったお人形、大切にされてきたお人形に、『ありがとう』の感謝の心でお別れします。

東玉では期間を限定し、事前のお預かりを受付けています。
およそ5月~10月にお問い合わせの上(TEL.048-756-1111)

人形の東玉 岩槻総本店 「人形供養」係
(〒339-0057 埼玉県さいたま市岩槻区本町1-3)

までお持ち込み下さい。お預かりが不可のものもございます。
詳しくは弊社ホームページ「人形の東玉」をご覧ください。

まとめ

両親が悩みぬいて購入してくれた大事な雛人形。お友達が来てくれた時に羨ましがられたひな人形…。
お雛様は赤ちゃんが無事にご成長されるためのお守りであり、ご家族皆さまの想いが込められた存在です。

東玉では一人一飾りを大切に考えております。

赤ちゃんには“その子のお雛様”でお祝いするのが本来であり、これから人生をスタートする子に―
素敵な人に育ち、素敵な人生を歩んでもらいたい―
相手を思いやり、ものを大切にする気持ちをもって健やかに成長するとともに、心のきれいな人であり続けてもらいたい―。

そんな想いを人形に託して毎年、お飾りいただく人形が「お雛様」であると考えております。

いつまでも新品のままに、ということにとらわれず『我が家に来た大切なお雛様』とともに、また新たな時間を刻んでいただけたら幸いです。

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