ちょうど良さが人気の「三段飾り」のお雛様は、お子さま目線が嬉しいサイズ
七段飾り、五段飾りで大きすぎて飾れない。でも親王飾りでは少しさびしいという方には是非お勧めしたいのが三段飾りです。最上段にお内裏様、2段目に三人官女、下の段には嫁入り道具や牛車(ぎっしゃ)や御駕籠(おかご)に重箱を並べます。豪華な蒔絵を施した木製の三段は重厚感にあふれ、存在感に目を奪われます。
また、伝統的な赤い毛氈(もうせん)で飾る三段は、気品にあふれた桃の節句、ひな祭りの王道です。近年では生活の中心が和室から、リビングなどの洋室に移行し、おしゃれな敷き布を使った飾りも人気で、洋間に飾ってもしっくりする、素敵な三段飾りも登場しています。
木製、赤い毛氈、おしゃれな敷き布等、どの三段飾りもお子さまの目線に雛人形が並びます。
七段飾り、五段飾りで大きすぎて飾れない。でも親王飾りでは少しさびしいという方には是非お勧めしたいのが三段飾りです
三段飾りのおひなさまは、お子さまが幼稚園に入園するくらいの時期に、ちょうどお子さまの目線に雛人形が並びます。七段飾りや五段飾りにはない、雛人形との親近感は、ひな祭りを楽しんだ思い出としていつまでも心に残るでしょう。
また雛壇の空いているスペースには本物の雛菓子などを並べても、楽しい飾りとなります。
雛あられやひし餅、特にひし餅は女の子の命を救ってくれたいわれがあります。
昔々、インドのとある村で川に橋と架ける工事をしているが、降り続く雨で川が氾濫して、なかなか工事が進みません。村人達は「これはきっと川底の龍の怒りだろう」と、いけにえを捧げることになりました。いけにえを探すのは天狗の役目でした。天狗はある家を訪ね、いけにえの申し入れをすると「我が家はすでに七人も娘を捧げてきた。この娘は八番目の最後の子供なのでどうか見逃してください。」と、代わりにひしの実を差し出し、「これを食べると人間と同じ味がします。またこれだけを食べて長生きした仙人もいます。」と解説しました。納得した天狗がそのひし餅を川に投げ入れると川は静まり、再び村が平和を取り戻しました。八番目の女の子の命を救ってくれた「ひしの実」に感謝して、日本では3月3日の女の子の無事成長を祝うひな祭りにひしの実をひし餅にかえて、雛壇にお供えしているといわれます。一番上段に飾り、一見、花瓶のように見える飾りものは「桃花酒」といいます。中国からのいわれで「桃の花びらを酒に浮かべて飲むと「百」病を除き、顔色をよくする」という言い伝えがもとになり、「桃花酒」を飲んで、女性達は、折目節目をつけたことからも「桃の節句」という別名も生まれたようです。正式は徳川幕府が定めた五節句のうちの「上巳の節句」(じょうしのせっく)と呼称されます。
江戸時代の華やかな頃を迎えると、東京本郷の豊島屋という酒屋が「ひな祭りの祝い酒」として「白酒」を売り出したところ、味もおいしく長蛇の列ができるほど人気が出て、少しずつ本来の桃花酒が姿を消して、白酒が飲まれるように変化してきました。また、段に一緒に飾るのではなくとも、”桃の花”を花瓶に差して、傍に飾ってあげましょう。”桃花酒”を飲んで、”桃の節句”をお祝いするのですから、当然”桃の花”も一緒に。”節句”は、その時々の季節を感じながら、お祝いするものだと思います。自然も感じつつ、節句のお祭りも楽しんで頂けると、いい思い出のなりんpでは、ないでしょか。
二段目には「三人官女」お子さまと一緒に並べやすいの手の届く距離感
人形を飾るようになった最初の大きな理由は、子供の無事成長を祈る素朴な信仰心が根底にあったものと考えられます。なぜなら医学や医療などというものが現代のようなものではなかったことにより、人間(特に乳幼児)の生死においては、人間の力の及ぶ範囲は非常に小さかったと考えられ、人の形をした象徴的なものに、無事、守護、安全などといった願いを込めて身のまわりに置かれたものと考えられます。
このような感性が時代とともに育まれ、現代では女の子の幸福を祝う雛人形が3月3日に主役となっています。
雛人形そのものが高価であり、細工が精緻なことから子供が手に触れようとすると、それを阻止することがよくありますが、子供自身のお守りという考え方をするのであれば、丁寧に大切に手に取って飾り付けをし、また収納をすることは大切な情操教育と考えられるでしょう。
三段目には「嫁入り道具」細かい小道具も細部までよく見える近さ
三段目に飾る重箱・牛車・お駕籠などは、近世のお嫁入りに因む嫁入り道具といいます。現在の雛人形のモデルと考えられるのは、宮中の婚礼儀礼であり、その風景をイメージしたものといえます。七段飾りがひな祭りの中心の頃は 箪笥・長持ち・鏡台・針箱・火鉢・茶道具・お膳揃いなども飾られました。
雛人形の嫁入り道具と一緒に雛あられやひし餅も飾りましょう。
雛あられ・ひし餅は雛人形に供える最も大切な食文化です。
雛あられは昔の保存食や携帯食としていました。ひし餅はインドの神話で、ひしの実が女の子の生命を救ってくれたことに由来します。細かい小道具や嫁入り道具の脇などにお供えしてひな祭りをお祝いしましょう。雛人形や雛道具以外に、本物の食べ物をお供えする事が、お節句(昔「お節供」は「供」であり、神様へお供えをして、ご加護をいただく)本来の意味であります。お子様に楽しく遊び感覚で、大切なことを伝えることができる情操教育の一つです。