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鯉のぼりの秘密!5色の「吹き流し」や金の風車など意味を解説

2024年2月1日

鯉のぼりコラム

鯉のぼりの秘密!5色の「吹き流し」や金の風車など意味を解説

風薫る五月、鯉のぼりの季節となりました。
五月五日、端午の節句の風物詩・鯉のぼりは江戸時代中期に庶民の間に広まったのが始まりとされています。新たに誕生した男児が困難に負けず、”たくましく健やかに成長してほしい”と立身出世の願いを込めた日本の伝統行事のひとつです。
こいのぼりには、真鯉・緋鯉など各色の鯉以外に、さまざまなパーツがあるのを皆さまお気づきでしょうか?目線を上げてみると竿(ポール)の先端に付く金の風車やくるくる回る金色の球状の部品、また鯉と一緒にたなびく五色の「吹き流し」など、それぞれにお子様の成長にちなむ深い意味があります。ここでは、鯉のぼりにつきもののパーツ「吹き流し」や「矢車」・「回転球」などを詳しく説明していきます。

「吹き流し」とは鯉のぼりの一番上の五色の飾りのこと

まずは吹流しの意味を説明していきます。
こいのぼりの一番上に泳ぐ五色のひらひらとたなびくものが吹き流しです。お子様の健やかな成長と出世を願って飾る鯉のぼり。その中で一般的に真鯉(黒鯉)の上につけられるカラフルなものが吹き流しです。この色のパターン、どこかでご覧になったことはありませんか?これはよく「神道の五色」として神社の幟や幕に使われているものなのです。この五色は、古代中国から連綿と続く「陰陽五行説」に基づくものとされています。五行説を簡単に説明しますと、この世界は陰と陽の気と「木」「火」「土」「金」「水」の五つの要素で成り立っているという思想です。「木」は青色、「火」は赤色、「土」は黄色(金色)「金」は白色、「水」は黒(紫色)に通ずるものとされ、この考え方が吹き流しの五色と結びついています。
陰陽五行説 図解
青色には〈木は燃えて火を生み〉

赤色には〈燃えた後には灰が残り〉

黄色には〈灰は土に還り〉

白色には〈土を掘ることで金属が得られ〉

黒色には〈金属の表面には蒸気の一部が凝縮し水が生じる〉
そしてその水がまた木(青)に還り、次々と生み出していく良い循環になることから、魔除けや厄除けとしても考えられています。

鯉のぼりに付いている吹き流しは五色の魔除け

「木」「火」「土」「金」「水」万物を形成するこの五要素が、お子様を邪気や災いから守ってくれる「お守り」や「魔除け」のような意味合いを持つとされています。また、この吹き流しの五色は季節を表す色の意味も併せ持ち、「青」は春、「赤」は夏、「白」は秋、「黒」は冬、「黄」は土用を表します。これらの五つの要素が守ってくれる、邪気を払ってくれると信じられているのです。この五行説の考え方は、陰陽道における五芒星(魔除け)にもつながります。現代でも日本の文化に深く根ざしており、例えば大相撲の土俵上には赤房・青房・白房・黒房などがありますが、これも五行説に基づいた文化と言えます。少し気をつけてみると、皆さんの身近にも様々なところにこの五色が使われていることと思います。また「四方神将」という物もあります。各方角の守り神で、東の青龍・南の朱雀・西の白虎・北の玄武と言われており、これを色に例えると、青・赤・白・黒になります。そして、中央に麒麟を据えると、黄色が入り、陰陽五行を同じになるのです。太古の時代から、大切にされてきた五色であることは、間違いない事だと思います。

実は吹き流しは、鯉のぼりより歴史が古いとされています。吹き流しはすでに源平の時代や戦国時代にはその原型が見られ、この五行説に基づいた「お守り」や「神仏のご加護」などの願いを込め、旗などに飾られていたようです。こいのぼりは江戸時代の庶民が武家の幟旗(のぼりばた)に対し、流行させた習慣です。
最近では高速道路の風速・風向を見る目安として吹き流しが使用されています。

鯉のぼりの吹き流しの上についている風車は「矢車」

矢車
こいのぼりのポールの先端に付く風車のような、矢羽を円形に取り付けたものを「矢車(やぐるま)」といいます。中心に向かって数本の矢が刺さっているような形状ですが、これは幸せが四方八方から訪れるようなとの願いや、またどこから魔がきても矢で射ぬくとの魔除けの意味が込められていると言われます。矢には幸運を射止める意味や、邪悪なものを打ち破るという意味があるのです。また、鯉のぼりのもつお子様の立身出世、魔除けなどの考え方にも通じ飾られるようになりました。矢車のカラカラと回る音が悪いものをビックリさせて追い払うというふうに考えていたようです。
また、矢車の音は「神様を呼ぶ音」だともされています。お祭りの時の太鼓の音に通じる考え方です。天の神様にここで男児が誕生したことに気づいてもらうための目印という考え方です。

鯉のぼりの吹き流しの最上部の玉は「天球」

矢車
こいのぼりの先端でクルクル、キラキラ回る球体のものを「回転球」「天球」といいます。
もともとは神様を呼びおろすために竿の先に杉や榊(さかき)や柏といった神聖な葉を飾ったり、黄色や赤の布を目印のように飾っていました。これは招代(おぎしろ)と呼ばれていました。
江戸時代の終わりころには、竹で編んだ丸い籠である駕籠玉(かごだま)とよばれるものを飾るようになり、金箔などで豪華に装飾するようになりました。これらが回転球・天球のルーツと考えられます。回転球が鯉のぼりの最上部にあるのは少しでも天に近づけて神様に見つけていただきやすくするためです。
回転球の持つ意味は吹き流しや矢車にも通じる「この家で男児が生まれました。神様ご加護ください」という神様への目印とされています。こいのぼりと一緒に飾ることで神様により早く男児の誕生を気づいてもらうためのキラキラ・クルクルなのですね。

吹き流しも美しいおすすめの鯉のぼり

このように伝統的な吹き流しは五行説に基づいた五色のものですが、時代とともに吹き流しもおしゃれに変化してきました。こいのぼりのルーツである登竜門伝説にちなんだ龍のデザインや、天空の鳳凰や縁起の良い鶴が描かれたものも登場しました。また季節の花や爽やかな五月を彩るグリーンを基調とするデザインのものもあります。ここではいくつかの美しい吹き流しをご紹介します。また近年では吹き流しの白抜き部分にお子様のお名前や家紋・花個紋(お子様のバースデーシンボル)などを染めることが出来ます。ご兄弟が誕生の際には、新たにお名前を染めた吹き流しを足すのも良いですね。
吹き流しの素材としては、昔は木綿生地に手描きされたものでしたが、近年では比較的、お手頃な価格のナイロン製の商品や、シルクタッチのポリエステルに金箔加工や撥水加工を施した高級品も増えています。
ここでは鯉のぼりの有力メーカーである徳永こいのぼりの商品を中心にご紹介していきます。

桜風吹き流し

桜風吹流し
一人ひとりの花が咲き誇り大きく実りますようにと、新たな時代を生
きる子どもたちへ祈りを込めて。青空に映える鮮やかなグラデーションと光り輝くアルミ箔で表現した桜の花びらを美しく散りばめられた吹き流しです。更に格式高い鹿の子文様のポリエステルジャガード織生地を使用。末広がりの八にかけて足の本数を八本に仕立てた、縁起の良い特別仕様です。吹き流し単品でのご購入も可能です。

吉兆吹き流し

吉兆吹流し
慶祝の鯉「吉兆」に使用する最高級吹き流し。伝統の五色の吹き流しを基調に吉兆柄の波立涌文様で、中心の龍は登竜門伝説の龍に、より飛躍するようにと翼を付けた最高位の龍が描かれています。また撥水加工処理を施し、縮みやしわになりにくい生地は、高貴な桐竹紋と麒麟文様を織り込んだ鯉のぼりでは最高級のジャガード織の仕立てとなっています。

吉兆鯉のぼりの一覧はこちらからご覧ください。
吉兆鯉のぼりリンク

風舞い吹流し

風舞い吹流し
伝統の捺染技法によるぼかし染めをし、豪華絢爛な金箔を散りばめて仕上げた鯉のぼり・風舞い。吹き流しは五月の空、薫風を爽やかに表現し、鯉のぼりを引き立てます。雨水に強い撥水加工を施した最高級こいのぼりです。吹き流しの爽やかな色合いが若い世代に人気があります。

風舞い鯉のぼりの一覧はこちらからご覧ください。
風舞い鯉のぼりリンク

京錦吹流し

京錦吹流し
日本画家の徳永春穂により描かれた錦鯉独特の色合いを七色ぼかしで染め上げた「京錦」セットに付く吹き流し。水と空をテーマに日本古来の色の藍色ぼかしに縁起の良い千羽鶴をあしらいました。新素材ポリエステル生地は立体交差織で太陽光線を浴びると箔銀色に輝く特殊生地です。

京錦鯉のぼりの一覧はこちらからご覧ください。
京錦鯉のぼりリンク

まとめ

ここまで見てきたように吹き流しや矢車・天球にはお子さまの健やかな成長、出世を願う深い意味があります。
こいのぼりを揚げることには、天の神様に子供の守護を願う意味があり、神様への目印でもあります。
初節句には是非こいのぼりを揚げ、お子様の健やかな成長を願い、またお子様に鯉のぼりの意味をお話ししながら一緒にお飾りください。青空を雄大に泳ぐ鯉のぼりの下に、家族の笑顔が見えませんか?

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