木目込で鯉のぼり!
皆様こんにちは。こちらでも何度もご紹介していますが、「木目込」をご存じでしょうか。
例えばこんな鎧兜や人形たちです。
岩槻の土地はもともと木目込人形の材料となる桐が豊富でした。さらに人形作りに欠かせない胡粉(ごふん)を溶くための綺麗な水に恵まれていました。江戸時代に日光御成街道の宿場町として栄えたころから、岩槻の人形づくりが盛んになりました。私達の工房では、桐を粉末にしてかためた「桐塑(とうそ)」をボディとした木目込人形作りを得意としています。
そんな東玉木目込人形工房から2021年新作が登場しました。木目込み技法でつくられた鯉のぼりです。
下の写真は工房でできたてほやほやのところを撮ったもの。
跳ね上がったしっぽと、まるまるとしたボディ(本体)が可愛らしい鯉のぼり!!!!!
下の写真は吹き流し(鯉のぼりの上にたなびく五色の布)ですが、ただまっすぐなだけではなく、風にたなびく様子が、柔らかな曲線を描くことで表現されています。
工房でお仕事をしている女性のデッサンをもとに、原型が起こされました。
江戸木目込人形は昭和53年2月6日に国の伝統的工芸品に指定されており、岩槻(現:さいたま市)はその製造地域のひとつなのです。木目込人形は木彫りがルーツであり、独特の造形をつくりだす直線や曲線の美しさが一番のみどころです。それはお人形のサイズが小さくなっても同じこと。いつの時代も多くの人の心に受け容れられる理由となっています。
お庭やベランダには、勇壮な鯉のぼりを揚げることが難しいという方は、お部屋の中で、こんな可愛らしい鯉のぼりを眺めてみてはいかがでしょうか。