破魔弓の飾り方は「床の間・高い位置・凶方向」今はもっと自由に
お子様の初正月のお祝いに贈られる「破魔弓(はまゆみ)」や「羽子板(はごいた)」は赤ちゃんのお守りです。
破魔弓をはじめて飾ると言う方も多いと思いますが、このようなお守りや縁起物には大抵その役割に適した飾り方があるのです。
これから長い間、大切なお子様の成長を見守ってくれる破魔弓です。
破魔弓を飾るのに適した場所、お守りにふさわしい飾り方、破魔弓を長持ちさせるためのポイントを知っておきましょう。
この記事では、破魔弓の飾り方や飾る場所、お手入れや収納方法、破魔弓を飾らなくなった際のしまい方などについて詳しくご紹介します。
破魔弓の飾り方の基本は年末年始に床の間に
それでは、基本の破魔弓の飾り方を見ていきましょう。
まずは、破魔弓を飾る時期からです。
破魔弓と対になる破魔矢は神社へ初詣に行った際によく目にしますが、破魔弓は一体いつからいつまで飾るものなのでしょうか?
魔除けの破魔弓を飾る時期は年末年始
破魔弓の由来はとても古く、飛鳥時代に始まり後の室町時代には神社や宮中で様々な破魔弓を用いた儀式が行われていたと言います。聖なる威力を秘めた破魔弓は「魔(鬼)祓いや厄除けに効力を持つ」と信じられていたのです。
魔除けの意味で宮中や武家でお正月に破魔弓を飾るようになり、その習慣は後に庶民の間にも広まって「男の子の赤ちゃんのお守り」としての破魔弓が浸透したのです。
関連記事:「破魔弓の意味は「魔除けと厄祓いのお守り」その歴史と由来を解説」
昔は「節句(せっく)」や「節分(せつぶん)」のような季節の変わり目には「鬼門(きもん)」から鬼が出てくるため、病気になったり飢饉(ききん)が起こったりすると考えられていました。
お正月には人日(じんじつ)の節句があり、旧暦で言うと年末年始は節分時期にもあたります。
大切な赤ちゃんを災厄から守り無事に年が越せるよう、「12月の中旬頃に飾り、お正月を過ぎた頃にしまう」と言うのが一般的な飾り方です。
大晦日(おおみそか)に飾る「一夜飾り」や12月29日に飾る「苦立て」は縁起が悪いとされるので、できれば避けましょう。
- 正月飾り 破魔弓「6号瑠泉MI75NT」
コンパクトな五本矢仕様の破魔弓飾りです。玄関場所やリビングにも置けるサイズで置き場所に困りません。シンプルな金バックの黒枠ケースで安心感があります。
商品詳細
伝統的な破魔弓の飾り方におすすめの場所は床の間
伝統的な破魔弓の飾り方としては、神棚に置いたり床の間に飾ったりするのが一般的です。
破魔弓は神聖なお守りですから、私達が見下ろす位置に飾るのはあまりよくないとされます。居間の家具の上などでの飾り方は、少し高めの位置に飾るのがポイントです。
ケース飾りの場合はそのまま置けばよいのですが、破魔弓本体だけをお持ちの場合は「破魔矢立て」を利用して置いたり、壁に固定して飾ってもよいでしょう。
お守りの意味をもつ破魔弓ですから、赤ちゃんの頃は皆が集う居間、少し大きくなったら子ども部屋、と言うようにお子様の成長に合わせて場所を変えると言う飾り方もあります。
魔除けの意味を込めて玄関に飾れば、ご自宅を訪問される方々にも素敵な破魔弓を見ていただけますね!
いずれにしろ、破魔弓を飾る場所を決める際には、直射日光が当たらず湿気の少ない場所を選びましょう。
関連記事:「破魔弓を飾る場所は「子供部屋」の直射日光を避けた高い位置に!」
男の子と女の子のいるご家庭なら、破魔弓と羽子板と並べて居間に飾ると言うのも華やかでよいかもしれません。
破魔弓を五月人形の脇に置いたり、羽子板をひな人形と一緒に飾ったりする方も多いですし、お正月が終わっても破魔弓や羽子板をしまわずに「年中飾り」とされる方もいらっしゃいます。
昔は破魔弓は年末年始に床の間などに飾るものとされていましたが、そもそも縁起物ですので、現在ではいつどこに飾っても特に問題はないのです。
- 正月飾り 破魔弓「13号 皇龍」
大きさの割に間口をコンパクトにした人気のある破魔弓飾りです。矢に使用している羽根は、天然羽根で見た目も鮮やかで綺麗です。バックの緑の縁が、より弓と矢を上品に魅せています。
商品詳細
洋風のお部屋での破魔弓の飾り方
一昔前までは床の間のある住宅が多かったものですが、現在ではアパートやマンションにお住まいの方も多いでしょう。
限られた居住空間に「季節の飾り物」のためのスペースを確保するのは、なかなか難しいのではないでしょうか?
そのような場合には、リビングや玄関などのちょっとしたスペースにも設置できるコンパクトなケース入りの破魔弓を飾られるとよいでしょう。
関連記事:「おすすめの破魔弓ランキング!最近はコンパクトタイプが人気」
たとえスペースに余裕があったとしても、おしゃれなインテリアで統一した洋風のお部屋に、伝統的な和の置物はあまり置きたくないと言う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、最近の節句飾りはそのような現代の住宅事情や生活スタイルを考えておしゃれに作られたものも多いので、お部屋に合わせた破魔弓選びができるのです!
関連記事:「正月飾りの破魔弓は「かわいい・おしゃれ・コンパクト」が人気!」
関連記事:「おしゃれな破魔弓は喜ばれます!初正月に飾りたい人気の破魔弓」
- 正月飾り 破魔弓「13号新瑞祥」
木目調枠に弓矢と箙のある豪華な破魔弓飾りです。バックのラメ入り針松がより破魔弓を引き立てます。落ち着いた色合いが特徴の破魔弓です。
商品詳細
破魔弓の飾り方や取り扱いのポイント
破魔弓を飾る時期や飾る場所がわかったところで、今度はその飾り方についてご紹介します。
魔除けの意味から考える破魔弓の飾り方
まず、破魔弓や破魔矢は先端を上に向けて飾ると天に矢を放つ形になるので、良くないとされています。
ケース飾りでは、最初から矢の先が全て下を向いているものが多いですが、本体だけの場合は矢の先端を下に向けて飾るか、寝かせた状態で飾ります。
破魔弓を寝かせる飾り方では、破魔弓の持つ効力である「魔除け」の意味から、「凶の方位(その年の干支の反対の方向)」「鬼門(きもん)」「逢魔(おうま)」の方向に矢の先端を向けるのが、昔ながらの飾り方です。
鬼門の方角は「東北」ですが、その反対の方角である南西も「裏鬼門(うらきもん)」と呼ばれていて、やはり良くない方位とされているので、家の建築の際の「上棟式(じょうとうしき)」でも、その方角に向けて屋根の上に破魔弓を飾る飾り方をいたします。
- 正月飾り 破魔弓「10号慶安」
四方を守る四ツ矢に小槌が付いた豪華なコンパクト破魔弓飾りです。バックの金と大小太刀がより破魔弓を豪華に魅せます。
商品詳細
デリケートな破魔弓の飾り方や注意点
今度は実質的な観点から、破魔弓の飾り方を見てみましょう。
お正月に飾る破魔弓や羽子板は、ひな人形や五月人形と同様にとても繊細に作られています。破魔弓は、職人たちが丁寧に作り上げた美しい伝統工芸品なのです。
そんな破魔弓を長持ちさせるためには、その飾り方や収納場所を考える際に、いくつかのポイントを抑えておく必要があります。
まず、破魔弓はお部屋の直射日光の当たらない飾り方で飾りましょう。
直射日光は、破魔弓や破魔矢の変色や色あせの原因となってしまいます。
それから、湿度の高い場所も避けた方がよいでしょう。
たとえ直射日光の当たらない場所であっても、窓際に置くと室内外の温度差によって結露が生じ、破魔弓の劣化を早めてしまう可能性があるのです。
基本的に、破魔弓・羽子板などの正月飾りや五月人形などの節句人形は、エアコンも苦手です。飾る場所を決める際には、冷風の熱風が直接当たらない場所を選ぶようにしましょう。
破魔弓のお手入れ方法
破魔弓は繊細に作られた伝統工芸品ですので、ほこりやアクシデントから保護するためにもケース入りの「ケース飾り」をお選びになることをおすすめします。
ケース飾りでしたら、お手入れや収納などの取り扱いも容易ですし、万が一赤ちゃんが破魔弓に手を伸ばしてしまっても安心ですよね。
お掃除の際には、アクリルやガラスの部分はよく絞った布で拭いた後にすぐに乾拭きしてください。それ以外の部分は軽く乾拭きすれば十分です。
ケース無しタイプの破魔弓の場合は、羽根ばたき等で軽くホコリを払う程度にして、やさしく取り扱うようにしましょう。
破魔弓の「しまい方」は飾り方と同じく注意点があります
年中飾りにしない場合、破魔弓はお正月や端午の節句の時期が過ぎたら片付けます。
破魔弓はデリケートですから、収納する際にも飾り方と同じようにいくつかの注意するべきポイントがあります。
破魔弓をしまう際のポイント
破魔弓や五月人形は湿気に弱いですから、しまう際には天気のよい日を選ぶようにしましょう。雨の日や湿気の多い時に収納すると、保管場所でカビが生えてしまう可能性があります。
しまう前には破魔弓を一度風にあてて乾燥させ、布や羽根ばたき等でホコリを取ってから収納しましょう。
収納する箱の底に適量の除湿剤や防虫剤を入れてからしまえば、保管中の破魔弓を保護することができます。
ケース飾りの場合は問題ありませんが組み立て式の破魔弓や五月人形の場合は、翌年からの出し入れで戸惑うことがないように、破魔弓が箱に入った状態や箱から出した時の飾り方の写真を撮っておくことをおすすめします。
- 正月飾り 破魔弓「壁掛け飾り 12号樹タモ」
コンパクトな壁掛け・額入り破魔弓。リビングなどの洋室にもピッタリなサイズ感。少しの空間でも手軽に飾れます。本格的な破魔弓飾りでは最小クラスの、奥行き8cmでご用意致しました。コンパクトで飾る場所に困りません。
商品詳細
破魔弓は古くからある神聖な「魔除け」ですから、昔ながらの飾り方や飾る時期、ふさわしい飾る場所と言うものがあります。
しかし、必ずしもその通りにしないといけない訳ではなく、現代の生活を考えるとそこまで飾り方にこだわる必要はないのです。破魔弓に関わらず、節句飾りは、これまでの伝統や風習を踏襲しつつ、各ご家庭の事情に合う飾り方をしたらいいのでは、ないでしょうか。”飾る”事の裏に、お子様の健康や安全を見守っていくと言う気持ちが、込められていれば、なんの問題もないと思います。
破魔弓に関わらず、節句飾りは、これまでの伝統や風習を踏襲しつつ、各ご家庭の事情に合う飾り方をしたらいいのでは、ないでしょうか。”飾る”事の裏に、お子様の健康や安全を見守っていくと言う気持ちが、込められていれば、なんの問題もないと思います。
お正月の破魔弓は「男の子のお守り」として、そのご家庭に合った飾り方をするのが一番なのではないでしょうか?