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岩槻総本店
〒339-0057
埼玉県さいたま市岩槻区本町1-3
元来、節句人形は、生まれてきたお子様の健康や末永い幸せを願う為にお飾りする物です。
その為、【ひとり一飾り】と言う言葉があり、この考えが前提になります。そうした観点から考えると、おじい様や、お父様のお飾りは、おじい様やお父様のものであり、新しく生まれてきたお子様のもではない事になります。また、人(ここでは、おじい様・お父様)の物を受け継ぐのは、“災い”までも受け継いでしまう事になってしまのです。その様な事から、「お下がり」は、“NG”と考えられます。
次の項目から、その辺りを細かくご説明していきます。
五月人形を人々が飾る様になるのは、江戸時代の初期。元々は宮中で行われていた“魔除け”の行事が形を変えて武勇を尊ぶお祝いに変わり、男の子の成長を祝う形になりました。
男の子が生まれた時、その子の成長や無病息災を願って、お祝いをする時に、五月人形を飾り、その前で宴などをしたことから始まった様です。宴は誕生を祝うだけではなく、その子が無事に成長をし、出世してくれる事を願ったものでもありました。兜や鎧をきた五月人形は、生まれた子の“身がわり”として飾り、お祝いをしたのですから、その人形を何人もの子供達の“身代わり”としてお祝いするのはいかがなものでしょうか?おじい様やお父様の五月人形は、それぞれおじい様やお父様の成長や出世を祝う為に飾られ、人生をともに過ごしてきた人形です。それらの五月人形には、それ相応の“厄”もたまっているかもしれません。そんな“厄”までも、お子さまに“引き継いで”しまうのは、本意ではないと思います。“お下がり”と言う事は、“引き継ぐ”と言う事になってしますのです。
もう少し詳しく、「お下がり」がダメな理由を、お話しましょう。
雛人形もそうですが、人形自体の前身が「人形(ひとがた)」・「形代(かたしろ)」と呼ばれる物で、紙などで人の形を模したものに、人の穢れや災い等を移して、お祓いをしたりする為のものでした。古くは、こうした“まじない”や“お祓い”で、病気や怪我を治したりしていたのは、映画などでも見られる光景です。想いを込めると考えれば、現代でも、神社などで行われる“護摩焚き”などは、同じ意味合いを持つのではないでしょうか?お札に想いを込め、お焚き上げをして頂く。このお札がもしかすると、昔は「形代」を使っていたのではないかと、考えます。昔も今も、人の想いは、変わらないのかもしれないですね。
そんな「形代」から派生しているお人形。特に五月人形は、身代わりの意味合いが、強い人形になります。飾る様になったのが、江戸時代の初期としましたが、その前はまさしく“戦国時代”戦いに明け暮れる武将たちの時代です。男の子は、元服(15歳)を迎え、甲冑を付け戦場に赴き、手柄を挙げる働きをする事を、想い描いて成長していたのではないでしょうか?(映画やドラマでおなじみだと思います)実用性の高い甲冑が飾りとして、仕様を変え、その甲冑を飾り、子供(男の子)の成長や無病息災、出世を願ったのが、五月人形の始まりではないのでしょうか。甲冑はその人だけの物、例えば、伊達政宗の三日月の前立、直江兼続の愛の字の前立など、その人自身を表す大切な印だったのです。
なぜかと言えば、大軍がぶつかり合う合戦の中において、大将の首を取る事は最大の武功であり、自分はここにいると武将たちが存在をしめす為の物だったのです。そう考えると、大将は随分危険だったことがわかります。その危険から身を守る為の道具が、甲冑だったのです。(現代では考えられない事ですね)
そういった考えからすると、五月人形として飾られる甲冑は、その子(人)一人の物と言う事も、自ずと理解できます。“戦場”で“身を守る”為の物から、“人生”において、様々な事柄から“守る”為の物へ移行したと考えれば、“ひとり人飾り(一体)”とするのは、至極当然の流れだと考えられます。お父様が生まれた時に、おじい様がその子(お父様)の成長や無病息災・出世を願って買った五月人形は、お父様が成長する過程で、もしかすると、病気や災いを、引き受けているかもしれません。そんな五月人形を、自分のお子さまに譲るという事は、自分の為に引き受けてくれた病気や災いを、お子さまに渡してしまう事にほかなりません。人形には、魂が宿るという方もいる通り、様々な想いや、事象を飲み込んで、静かに佇んでいる五月人形は、自分の分身と言っても過言ではありません。
“自分の分身”とも言うべき五月人形。日本は、古くから長子(長男・長女)を尊ぶ慣習があります。今でも長男の初節句は、近所の人を招いて宴会をしたり、長女の桃の節句の時に、親戚一同を招いて披露宴の様な事をしたりする所もあります。だからと言って、次子以降の子供に対して、どうでも良いと思っている親御さんはいないはずです。お子さまに対する気持ちは、何番目だからと言う事で変わる事はありません。前段でものべた様に、“ひとり一飾り”と考えるなら、“自分の分身”と考えるなら、次子以降のお子さまにも、五月人形は揃えてあげるべき物です。本来なら、長子と同じ物を揃えてあげたいところですが、なかなかそうもいかないと思います。金銭的な事や、ましてや昨今の住宅事情では、そうそう大きな飾りを、幾つも飾るスペースはないと思います。だからと言って、諦めるのではなく、やはり五月人形はそれぞれ用意してあげて欲しいと思います。五月人形と言っても、種類は色々あります。一般的に、内飾り・外飾りがあり、内飾りは、鎧や兜、桃太郎や金太郎と言った武者人形、外飾りは、武者絵幟・鯉のぼりと言った物になります。また、それぞれに意味があり、内飾り=お子さまを病気や災厄から守る為のもの、外飾り=神様に誕生をお知らせして、無病息災を祈るものなのです。当初は、どちらか一方を飾るものではなかったのです。内・外飾り合わせて、五月人形としてのお飾りだったのです。地方では、まだこの風習が残っている所もありますが、現代では、なかなか難しいと思います。でも、まだ内飾りを買い、鯉のぼりを買って飾る方も、少なくありません。だからこそ、自分の人形がないと我が子を悲しませない様に、次子以降のお子さまにも、五月人形をご用意してあげて欲しいと思います。形にはこだわらなくてもよいかと思います。小さな鎧や兜、金太郎や桃太郎、最近では、小さな木目込の鎧や兜もあります。
お兄ちゃんのお飾りの脇に一緒に飾ってご家族揃ってお祝いする事で、お子さまそれぞれが自分への愛情を強く感じることと思います。どうか貴重な思い出の一ページを楽しくお過ごしください。
おすすめの木目込兜シリーズ:奏をご紹介します。
商品詳細
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お兄ちゃんが鎧なら、弟は兜などと言った形で、ご用意されるのもよろしいかと思います。鯉のぼりなら、小さな鯉を足してあげて下さい。“お父さん、お母さん、お兄ちゃん、そして一番下が僕だね”と指を差して笑顔を見せる男の子のお顔は、ご家族の幸せの象徴です。
長男ではないから、お父様の“お下がり”でも良いと言う訳でもありません。始めに述べた様に、“お下がり”では、お父様の災厄を受け継いでしまいます。鎧や兜でなくとも、金太郎や桃太郎と言った、武者人形でも“形代”としての役目は、十分に担う事ができるはすです。東玉では可愛い大将人形も色々ご用意しております。
大きな鎧や兜飾りのとなりに、小さな大将飾りを一緒に飾ってあげるのも、お兄ちゃんと一緒に祝ってもらっていると、感じることでしょう。“三つ子の魂、百までも”と言います。小さな頃から、家族一緒に“端午の節句”を祝えれば、何時までも、それは思い出となって、残っていく事と思います。
コンパクトな東玉オリジナルの端午木目込人形を一部ご紹介します。
商品詳細
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“形代”から始まり、長々と書いてきましたが、基本“お下がり”は“穢れ(災厄)の受け継ぎ”になるので、“お下がり”は出来ればおやめ頂き、“ひとり人飾り”として、お子さまが何人いたとしても、ひとりずつ飾ってあげて欲しいと思います。(なかなか難しい事だと思いますが)“身代わり”としての役割が強い“五月人形”だからこそ、下のお子さまにも、五月人形を買って、無病息災や出世を願ってあげてほしいと思います。
最後に、今までの話を踏まえて添えるとすればお父様の五月人形も”お下がり”として飾るのではなく”お父様の五月人形”としてお子様の五月人形の隣にお飾りになるのも良いかと思います。お節句のお人形はあくまでも”身代わり”、その役目は、何時までも続くものだと思います。それでも、お飾りするスペース等の問題で、お飾り出来ないのであれば、”人形供養”に出して頂くという事もあります。”岩槻”では、毎年11/3(文化の日)に”城址公園で供養祭が行われます。お役目が終えたお飾りは、感謝の気持ちを込めて、”ご供養”して頂くのが一番だと思います。
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