戦国武将「伊達政宗」の五月人形 兜に輝く三日月!
みなさんは「五月人形」というと、どんなものを想い浮かべるでしょうか?
きっと鎧飾りや兜飾り、または鯉のぼりをイメージする方が多いでしょう。
五月人形は「端午の節句」のお飾りで、男の子の成長を見守ってくれるお守りです。
五月人形の鎧飾りや兜にも様々なものがありますが、お店に整然と並んだ兜を見ていてひときわ目をひかれるのは、頭に大きな三日月を頂いた「伊達政宗(だてまさむね)」の兜なのではないかと思います。
そういった武将シリーズの兜飾り中でも、伊達政宗の兜は特に人気が高い商品です。一般的に鍬形は上に向かって二本、角のように立ち上がる形状ですが、伊達の前立ては一筆書きしたようなスラリとした三日月型です。当時としては斬新な形で前立ての飾りとしてはまるで一流デザイナーが考えたような形状が取り入れられており、人気の理由であり優れているところです。
以前から伊達政宗の五月人形は、大河ドラマや時代小説など歴史物が好きな方々から根強い支持をいただいてきましたが、最近ではゲームやマンガの影響でお子さまや女性の方にも人気が高まっているようです。
しかし、伊達政宗は何故そこまで人気があるのでしょうか?
ここでは、その生い立ちや人となり、そして伊達政宗の特徴である「三日月」と「眼帯」などからその人気の秘密を解き明かしていきます。
五月人形でも人気の伊達政宗公のおさらい
五月人形の兜飾りといったら「やっぱり伊達政宗!」と言うファンが多い武将ですが、彼は一体どのような人物だったのでしょうか?
まず、伊達政宗は「初代仙台藩主」として知られていますが、米沢城で生まれました。
伊達家は東北地方南部を本拠とした一族でしたが、政宗の時代に奥州統一を目指します。
幾度となく存続の危機を迎えながらも、その度に危機を脱却して奥州に君臨し続け、慶長6年(1601年)に伊達政宗は仙台藩の初代藩主となったのです。
「独眼竜政宗」と呼ばれる所以ですが、彼は幼少の頃に天然痘(てんねんとう)を患って右目を失明したと言われます。
そのときの経緯として「政宗が飛び出た右目を側近にえぐらせた」という話しや、「彼自身が右目を潰した」など色々な逸話があるのですが、いずれにしろ政宗の豪胆さを表したものが多いようです。
また彼は、仙台藩とエスパーニャとの通商(太平洋貿易)を企図し、ローマやヌエバ・エスパーニャ(メキシコ)へ外交使節を派遣したりと、国際的な人物でもあったようです。
私戦禁止令を破ったことで秀吉に釈明を求められた時、政宗は髪を切りそろえて垂らし、白い陣羽織をまとった姿で秀吉に謁見し、死の覚悟をアピールすることで死罪を免れたといいます。
その後も再び釈明に向かうのに、金塗りのはりつけ柱を先頭に上洛したり、朝鮮出兵時にも政宗軍は絢爛豪華な装束で従軍したりと、人々の記憶に焼き付く彼のふるまいが数多くの逸話となって今も残っています。
このような伊達政宗の、人々の意表を突くパーフォーマンスと武士としての意気込みを表す行動が、現在粋で洒落た格好や行いを表す「伊達者」の語源とも言われています。
この戦国の時代、己が志を貫きとおす事を良しとする「傾奇者(かぶき者)」と言われる人達がいましたが、伊達政宗もその一人だと言えるのではないでしょうか。
「最後の戦国武将」や「独眼竜政宗」など、様々な呼び名を付けられている政宗ですが、最後は「畳の上で死ねるとは思わなかった」という言葉を遺して70年の人生の幕を閉じました。
時は徳川三代将軍「家光」の時代で、家光は政宗の死を悲しみ、江戸と京都で音曲を禁止したほどだと言われます。
五月人形でも伊達政宗といえば「三日月の兜」
伊達政宗の五月人形といえば、頭に大きな「三日月の前立て」を頂いた兜飾りです。
この兜の三日月は、政宗の父「輝宗(てるむね)」が決めたデザインだと伝えられています。
まず政宗が生まれた時、輝宗は政宗の旗印を「太陽(日輪)」をモチーフにしたものにしました。
その旗印に合わせて、兜の前立てには「月」をモチーフにしようと決めたようです。
三日月は、政宗の家紋としてだけでなく、彼が名乗った「伊達」の名前にも関連しています。伊達姓は、政宗の先祖である伊達氏が戦国時代初期に活躍した際に、信仰していた神社の名前に由来していて、その神社の神託を受けたという伝承に因んで、三日月の家紋も採用されたと考えられています。
仏教において太陽は「金剛界」、月は「胎蔵界」を現すと言われます。
これは「曼荼羅」の種類を示す言葉で、曼荼羅はこの世の理を表しているとされています。
そこから考えると政宗の旗印と前立ては、どちらも仏の加護を意味している事になります。
政宗の父輝宗は、我が子の成功と守護を願ってこれらのモチーフを選んだのではないでしょうか。
「月」のデザインならば満月でも良さそうなものですが、旗印の「太陽」と区別がつかなくなるため、兜の前立ては「三日月」になったようです。
三日月を【これから満ちてゆく月】と考えれば、天下を狙う政宗の志を表しているとも言えますね。
伊達政宗の「三日月」と同じ様に、五月人形の兜飾りは「鍬形(くわがた)」や「前立てのデザインが大切なポイントとなっています。
たとえば「徳川家康」の兜には【子孫繁栄】のモチーフである「羊歯」、「真田幸村」の兜には【神の使いと死後の平安】を表す「鹿の角」と「六文銭」、「上杉謙信」の兜には【妙見信仰】の象徴である「日輪」と「三日月」、「織田信長」の兜には【鳥の巣と神の御加護】を表す「木瓜紋(もっこうもん)」と「御簾(みす)」の立物が使われています。
「鍬形」や「前立て」のデザインに込められた【各武将の強い意志や信仰心】を考えながら、お子さまの五月人形を選んでみてはいかがでしょうか?
東玉の戦国武将をモチーフとした五月人形の兜飾りや鎧飾りはこちらからご覧ください。
- 鎧飾り「5号伊達」:伊達政宗公モデルのコンパクト鎧飾りです。吹き返しと眉庇(まびさし)には蜻蛉の柄が描かれています。蜻蛉は勝ち虫として勝運の象徴とされています。兜は重ね鉢仕様で威糸は正絹を使用しています。台は木目で屏風の桜と月の絵柄が優雅な雰囲気を演出しています。
- 名将上杉謙信の兜の収納飾り「25号 上杉」:シックな黒塗の収納箱にオリジナルの三歳用陣羽織を飾る、独特で品のある商品です。お子様が三歳になった時、兜を被り、刀を持ち、陣羽織を着て記念写真を撮ることをイメージして製作いたしました。お子様との思い出がより一層深まることと思います。兜は上杉謙信公をモデルとしており、日輪の部分には龍の細工が施されております。
商品詳細
関連記事:「上杉謙信の兜飾り!人物像や逸話から、兜の特徴的な日月の前立の意味まで解説」
東玉の伊達政宗の五月人形は本格的な兜飾りからコンパクトなものまで!
ここでは、東玉で取り扱っている数ある五月人形の中でも、特にご好評いただいている「伊達政宗の兜飾り」をご紹介いたします。
伊達政宗の鎧飾り「5号伊達」
- 鎧飾り「5号伊達」:伊達政宗公モデルのコンパクト鎧飾りです。吹き返しと眉庇(まびさし)には蜻蛉の柄が描かれています。蜻蛉には勝ち虫と呼ばれ縁起よいとされています。兜は重ね鉢仕様で威糸は正絹を使用しています。
東玉では、他にも本格的な「名匠シリーズの五月人形」を取り揃えております。こちらよりご覧ください。
関連記事:「「兜(かぶと)」は名匠や技巧で選ぶのがおすすめ!」
着用タイプの伊達政宗の兜「25号伊達」
- 収納 着用飾り「25号伊達・陣羽織」:伊達政宗公の弦月前立を使用した着用兜は、飾り台が収納箱を兼ねておりコンパクトにしまえます。兜の背後に掛けられた陣羽織は、3歳位のお子様が着用できるサイズとなっており、兜をかぶり刀を持てばインスタ映えするすてきな端午の節句の写真が撮れることでしょう。
商品詳細
東玉では、他にも実際に着用できる鎧兜の「着用飾り」を取り揃えております。こちらよりご覧ください。
コンパクトに飾れる伊達政宗の兜飾り「10号 悠達(ゆうたつ)」
- 収納 兜飾り「10号 悠達」:兜は、伊達政宗公をモデルとしています。立体的な三日月の鍬形は品格があります。屏風には、綺麗な松と鷹が描かれたデザインで、兜と収納箱がコーディネートされたコンパクト兜収納飾りです。
商品詳細
東玉では、他にもコンパクトに飾れる「収納飾り」の五月人形はこちらよりご覧ください。
楽にお手入れできる伊達政宗の兜「彫金伊達」
- ケース入り 兜飾り「彫金伊達」:弦月の前立と吹返しに牡丹唐草の彫金がデザインされた兜。ケースの上部前枠にLED電球が埋め込まれており、コードをつなげると兜とラメの入ったバックが豪華に光り輝きます。六角ケースの前面と側面はアクリル仕様なので軽く、割れにくくなっております。
商品詳細
東玉では、他にも取り扱いが簡単な「ケース入の五月人形」を多数取り揃えております。アクリルケース入りも人気があります。こちらよりご覧ください。
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皐月童 陸
- 端午木目込人形 「皐月童 陸」:端午木目込人形シリーズの健康優良児「陸(りく)」。可愛いけれど堂々とした男児です。きりっと結んだ口元、もちもちのボディーは、生まれて間もない赤子の生命力が感じられます。名前の「陸」は大地のように堂々とした男子にご成長されるよう願いを込め命名いたしました。
商品詳細
東玉総本店のある岩槻は、昔から木目込製作が盛んに行われている「人形のまち」です。
その木目込技法を駆使し様々な職人さんが共同で作りあげた五月人形は、もはや「商品」ではなく「作品」と呼べる仕上りになっております。
岩槻の伝統技法を使った「端午木目込シリーズ」の五月人形はこちらよりご覧ください。
関連記事:「岩槻の五月人形は300年の歴史に積み重ねられた匠の技に支えられています」
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“伊達政宗”をモチーフにした五月人形は色々ありますが、どれも“三日月”の前立てを頂いた兜が中心です。
やはり伊達といえば「三日月」が一般的なのでしょう。
それだけインパクトが強く目を引き、印象深いものになっているのです。
だからこそ、まんがやゲームでも取り上げやすくなり、伊達の人気があがっているのだとも考えられます。
金の三日月の兜に黒い鎧、今のファッション感覚からみても、なかなか斬新なスタイルです。
そこに人々が魅了される要因があるとも考えられます。
戦国武将というくくりで言えば、伊達政宗は「最後の戦国武将」と言われています。
もし、伊達政宗がもう少し早く生まれていたら、「“天下統一”をしたのは伊達政宗だったかもしれない」とも言われています。
そんな名将“伊達政宗”だからこそ、子供の健やかな成長や人生における成功を願うためにお飾りするには、もっとも適している武将なのかもしれません。
己が志を誠実に貫き、後の世まで名を残す働きをした伊達政宗。
そんな人間的な魅力にあふれた「伊達政宗の五月人形」を飾って、家族みんなで『端午の節句』を楽しくお祝いしましょう。