親子で一緒に学びながら飾る、雛人形の飾り方
3月3日の桃の節句。童謡でも歌われる「ひな祭り」の日です。
女の子の健やかな成長を願う大切な行事ですから、雛人形の飾り付けもお子さまと一緒に行うようにしてください。
雛人形の飾り方を教えるときに、15人のお雛様の一人ひとりに名前と役割を一緒に教えてあげます。
そして、お子さまの雛人形にまつわる「どうして?」という問に答えてあげましょう。
西洋ではドールハウスを使って、テーブルマナーやお客様のおもてなしを子供が学びます。遊びの中に教育の要素が入っているのです。
いつかお子さまが社会にでてもマナーで困ることが無いように、社会人として大切な礼儀や礼節を、雛人形の飾り方を通じて教えてあげることが出来るでしょう。ぜひ一緒に雛人形の飾り方を教えてあげてください。
核家族かしている現代において、消えつつある”日本の文化”を末永く大切に伝えていく為にも、まず、身近なところから受け継いでいけたら、喜ばしことだと思います。お雛様を飾る事を通じて、日本古来の伝統や文化、そんな事柄に、お子様が興味を持ってくれる事を願います。
箱から出しながら、雛人形のそれぞれの人物と飾り方を覚えましょう
雛人形は全部で15人。
それぞれに名前と役割があります。
主役の「男雛(おびな)」「女雛(めびな)」に、2段目に飾る「三人官女(さんにんかんじょ)」、3段目の「五人囃子(ごにんばやし)」と、だいたいの方はここまではスラスラ出てくるものですが、それより下の段、4段目以降になると詰まってしまう方が増えてきます。
4段目は「随臣(ずいしん)」の2人が飾られます。
一般に広まった言い方では右大臣(うだいじん)と左大臣(さだいじん)ですね。
5段目は知らない人の方が多いかもしれませんが、「仕丁(じちょう)」という3人の雛人形が飾られます。
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この15人のそれぞれに役割と飾る段が決められています。
そして、役割に関連した小道具や含めて、それぞれの雛人形の持つ意味があります。
「どうして男雛を右側に飾るの?」
「この箱はなあに?」
お子さまが雛人形について色々と聞いてくるでしょうから、本記事で覚えていただいた事を教えてあげましょう。
雛人形を飾るお部屋と場所をきめましょう
年に一度のひな祭り。
家族みんなが集まれるような場所に飾るのが良いでしょう。
雛人形を飾るお部屋はリビングが最適
お座敷や床の間のあるお宅ではそちらがベストですが、モダンな家屋や現代のマンションにお住まいの方は「リビング」が適切です。
雛人形を飾る場所は「高温多湿」「直射日光」を避けて
雛人形は非常に繊細な造りをしています。また、雛人形の衣装にも絹が使われていることもあります。
ですので、雛人形を飾る場所として避けたいのは「高温多湿」の場所、「直射日光」が当たる場所です。
このような場所選びも、お子さまと一緒にどこがいいか探して選ぶことで、「大切な物を扱っている」という意識や、「目上の方との接し方」を自然に学ぶことができるでしょう。
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雛人形を飾る場所を決めたら、雛壇のまわりやお部屋の壁の飾り付けのレイアウトを考えてみましょう。
雛壇以外にも、そのまわりにお花やつるし雛、名前旗を飾る場合は、その分のスペースも考えておく必要がありますね。
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実際に雛人形を飾る際の飾り方を、最初から最後まで確認しておきます
雛人形は繊細に出来ていますから、飾り方や飾るときの置き方にも細心の注意を払いましょう。
雛人形を箱から出すその前に!飾る前の準備
箱から雛人形を出す前にも、準備すべきことはいくつもあります。
雛壇の組み立てから、白手袋の準備、雛人形を出したあとの空箱を置いておくスペースを確保したりと、雛人形を飾る時の準備は意外に多いものです。
いざ雛人形を飾り始めてから道具が足りない、スペースが足りないとならないように、事前に用意しておくとスムーズに楽しく飾り付けができますね。
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また、しまう時のために箱から雛人形を出した状態で写真を撮っておくと便利です。
雛人形は繊細に出来ていますから、別の箱に入れてしまうとサイズやスペースが合わずに傷んだり、壊れてしまうことがあるからです。
しまう時にどの雛人形がどの箱に収まるのかが一目で分かるように、箱から出したときにはスマートフォンなどでの写真撮影をおすすめします。
雛人形が持つ小道具の飾り方を確認します
最初に雛人形の並べ方の順番や、小道具の持たせ方などをお子さまと一緒に確認しておくと、実際に並べるときにお子さまとお話をしながら楽しく飾る余裕がもてますよ。
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雛人形の雛壇の段数によって、雛人形の飾り方が変わります
お子さまと一緒に雛人形の名前や役割、そして並べ方を覚えたら、いよいよ雛人形を覚えた飾り方通りに並べていきます。
1段飾りの平飾りの雛人形は、ほとんどの場合、男雛と女雛のお内裏様のセットです。
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男雛と女雛が持つ小道具の持たせ方や、冠の結び方やかぶせ方など、初めてチャレンジする場合はすこし難しいものもありますから、お子さまと一緒にじっくり取り組んでみましょう。
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手頃な大きさの3段飾りは一番人気。
現代の住宅事情で、大きな和室がない場合でも、満足できる立派なひな祭りが楽しんでいただけます。
5段飾り、7段飾りになると15人の雛人形が全員並びますから、雛人形の飾り方も間違いやすくなります。
それぞれの雛人形の持っている小道具や、飾る場所を確認しながら丁寧に並べていきましょう。
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また、京都や関西の一部地域では男雛と女雛の飾り方が逆になる場合があります。
お家の方や周りの方にお聞きになって確認してみてくださいね。
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雛人形を箱から出した時と同じように、雛壇に雛人形を並べ終わったら写真を撮っておきましょう。
次のひな祭りの時に、並べ方の参考になりとても便利です。
お子さまと一緒に雛壇に雛人形を並べるときには
「この雛人形さんは誰だっけ?」
「なんで太鼓をもっているんだっけ?」
と、お子さまに雛人形なぞなぞを出しながら並べていってください。
お子さまも楽しく自然に雛人形の名前や役割を覚えていくでしょう。ひな祭りが終わったらすぐにひな人形を片付けないと婚期が遅れると言われることがありますが、これは雛人形に限らず出したり使った後はきちんと片付けることができる大人になって欲しい親の願いの表れではないでしょうか。
美しく、繊細であり、丁寧に扱うべき雛人形を通じて、世の中の立場や役割の存在を自然に学び、いつの日か礼儀礼節を身に着けた立派な一人の女性として、社会に飛び立つための準備ができることでしょう。
今お母さんであるあなたがそうしてもらったように、お子さまにも同じように雛人形を飾り、ひな祭りのお祝いをしてあげましょう。