ひな祭り料理のレシピには、どんな意味が? お子様や大人も楽しめる簡単なレシピ
ひな祭りの楽しみといえば、お雛様を楽しく飾りつけるワクワク感。
雛人形を飾り、雪洞や桜橘、そして雛道具などの小物も飾り付けます。
さらにはお待ちかねの雛料理。
ひな祭りの料理・レシピは、日本の伝統に基づく食の文化といえます。
「高坏(たかつき)」に「菱餅(ひしもち)」を飾り付けたり、桜餅などをお供えします。雛料理はどれも色とりどりで可愛らしく、ひな祭りを盛り上げます。
しかしこれらひな祭りにぴったりの雛料理には、どんな意味があるのでしょうか?
ちらし寿司をはじめとした人気の献立、デザートや副菜など、またお子様や大人にも人気のレシピにはどんな料理があるのか紹介してゆきます。
ひな祭り料理の基礎知識とレシピ
ひな祭りでは「雛料理」と呼ばれるその季節特有の、料理やお菓子やデザートをいただきますが、それぞれの雛料理には特別な意味があります。
菱餅を食べる意味や由来は?
ひな祭りの代表的なお菓子として「菱餅」があります。平安時代に中国から「上巳の節句(じょうしのせっく、桃の節句とも)」が広まってきた当初からの伝統料理です。
菱形である理由は、心臓の形を模しているためです。
菱餅には「お子様の健康と健やかな成長」の願いが込められているのです。
菱餅の鮮やかな三色にも意味があり、「春の情景」を表しています。
白:菱(ひし):雪解け:長寿・子孫繁栄
緑:蓬(よもぎ):芽吹き:厄除け・清浄
赤:梔子(くちなし):桃の開花:魔除け・解毒
菱餅は上から」順に、赤(紅・ピンク)と決まっていますが、その次を白か緑にするかは決まりがありません。
たとえば下が緑なら「春先の桃の花のそばに、雪が残り、新芽が芽吹く情景」を表し、逆に、下が白なら「春先の桃の花のそばに、新芽が雪をかき分けて発芽した情景」を表します。
江戸時代までは梔子のない白と緑の二色でしたが、明治時代に入って鮮やかで春らしくなるよう、赤い層が追加され、現在の菱餅になりひな祭りの飾りもこの三色に変化しました。
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ひなあられを食べる意味や由来は?
次は「ひなあられ」についてのお話です。
ひなあられは、菱餅に桃色が追加された江戸時代から登場します。屋外でひな祭り遊びをおこなう風習があり、菱餅を弁当のように携帯するようになりました。
菱餅はお餅ですから、外にもっていく頃には固まっています。その菱餅を砕いて食べていたのが、ひなあられの由来とされます。
ひなあられは菱餅と同様に三色か、ここに黄色を足して四色が使われます。これは四季をイメージし「一年中のお子様の健康を願う」という意味があります。
緑:春
赤:夏
黄:秋
白:冬
ひなあられの味は千差万別で、甘い砂糖(金平糖)のようなものや、おせんべいのような甘じょっぱいものもあります。関東のひなあられは、お米をそのままの形で膨らませてお砂糖で甘く味付け、食紅でピンクや緑にしたものが多いですね。 このあられは、江戸時代からあった、お米を爆発させて膨らませる「爆米」からつくられたそうです。 うるち米が原料です。 一方関西のひなあられの原料はもち米です。優しい味で子供から大人まで愛されています。
ひなあられは「子供の味覚や好みに合わせて選ぶ」のがコツでしょう。1歳くらいの子供の味覚では強い味は難しいかもしれませんが、2歳や3歳くらいのお子様の味覚であれば、充分にお楽しみいただけると思います。
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桜餅を食べる意味や由来は?
桜餅もひな祭りで楽しまれる代表的なお菓子です。ただこちらは伝統的な意味合いは薄く、菱餅の代替として近年選ばれています。雛菓子のなかでは、人気のデザートといった位置づけでしょうか。
端午の節句で「柏餅(かしわもち)」を食べる風習があったため、桃の節句でピンク色の桜餅を選ぶようになりました。
桜餅には「長命寺(ちょうめいじ)」と「道明寺(どうみょうじ)」があります。長命寺は「餡(あん)」を焼いた小麦粉の生地でおおったもので、関東を中心とした地域を中心に人気が出ました。
また、道明寺の桜餅は餅で餡をおおった大福のようなもので、関西などで親しまれます。
桜餅の豊かな香りは、塩漬けした 桜の香りの成分に由来し、「血流改善」や「リラクゼーション効果」があるとされています。桜餅は葉がついたまま食べても問題ありませんし、はずして食べても構いません。
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ひな祭りの献立の代表的な料理:はまぐり料理を食べる意味や由来は?
蛤(はまぐり)は平安時代頃より「貝合わせ」という遊びで親しまれ、縁起のよい存在とされています。
はまぐりは、ひな祭りに深いゆかりがあります。
はまぐりは二枚貝のため、一度外すと別の貝殻と合わせることができません。そこから「生涯を通して仲のよい夫婦生活を送れますように」という願掛けに使われてきました。
はまぐりにはミネラルやアミノ酸などの栄養素が豊富で、余すことなく頂けるお吸い物は、とても理にかなっているレシピです。雛料理の副菜としてとてもお奨めです。
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ひな祭りの献立の代表的な料理:ちらし寿司を食べる意味や由来は?
雛料理のカテゴリのなかのランキングで、必ず上位に位置するのがちらし寿司です。
ちらし寿司は、はまぐりのお吸い物と供によく楽しまれる家庭料理です。
ちらし寿司は「江戸前ちらし」と「五目ちらし」に大別され、江戸前ちらしの基本は、酢飯に魚や塩で蒸したエビなどををたっぷり細かく切って載せ、対して五目ちらしでは生魚を用いるよりも「ちりめんじゃこ」などを振るのが一般的です。彩りに菜の花や絹さや・にんじんなど季節の旬な野菜などもお好みでおかずとして添えます。桜でんぶや卵(錦糸卵)も欠かせません。ちらし寿司は見た目も重要なのです。また、残ったちらし寿司は、おにぎりなどにして食べてもよいでしょう。
ひな祭りでちらし寿司を食べる風習は江戸時代から始まったとされていますが、これは定かではありません。ただ、酢は血圧を下げるなどの有効性が庶民の間で感知されており寿司は大流行しておりました。
ちらし寿司は古くから、家庭で様々な行事ごとで作られてきた家庭料理です。
鮮やかで可憐なちらし寿司が「ひな祭りのごちそう」として振る舞われるようになったのは、ある意味で自然なことでしょう。雛祭りのご飯(主食)には、それぞれのご家庭オリジナルのちらし寿司がおすすめです。また、ちらし寿司に添える副菜にも、菜の花などの季節の食材のお浸しなどを添えると良いでしょう。
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ひな祭りレシピの代表的な料理:白酒や甘酒を飲む意味や由来は? 両者の違いは?
ひな祭りでは「白酒」や「甘酒」もよく楽しまれています。
白酒の起源は、平安時代より上巳の節句で飲まれていた「桃花酒(とうかしゅ)」であるとされ、「清酒」に清めや魔除けの意味がある桃の花を浮かべたお酒です。また桃は「百歳(ももとせ)」につながり、縁起のよいものとされていました。
その後江戸時代に入り、桃花酒の代わりに白酒を飲む習慣が定着しました。その理由は、豊島屋本店が「白酒」を発売し、それを広めたためとされています。
白酒は「みりん」や「焼酎」に「米麹(こめこうじ)」などを加えて発酵し、数カ月間の熟成後に造るお酒です。白酒はとてもアルコール度数が強く、7度から12度前後にもおよびます。これではお子様が飲むのに不適切であったため、代替として作られるようになったのが甘酒です。
甘酒は「酒」とついているもののアルコール度数は0か限りなく0に近く、小さな子供でも安心です。甘酒は米麹から作るまろやかで甘い飲み物で、健康維持にも役立つため、「飲む点滴」とも呼ばれています。
白酒は酒税法の関係でご家庭で造ることはできませんが、甘酒はご家庭でも時間をかけずに簡単に造ることができます。
関連記事:「ひな祭りの白酒は子供に飲ませて大丈夫!?」
おすすめのひな祭り料理のレシピ
続けて最近のひな祭りに最適なレシピ・献立をご特集します。
子供に喜ばれるのは、昔ながらの伝統料理よりも和洋折衷で華やかな料理です。
ひな祭りの伝統は押さえつつも、お子様受けのよいレシピを見てゆきましょう。
ひな祭りレシピのポイントは綺麗で可愛い「赤・緑・黄色・白」の四色を意識して調理することです。ハムやチーズなどの現代的な食材も使い、少し洋風に。アレンジの仕方によっては、お子様にも大人にも万人受けする料理もありますよ!
ひな祭りレシピでお子様へおすすめのデザート:ミルク菱餅プリン
ケーキなどのデザートは、お子さまにたいへん喜ばれます。菱餅は伝統的でありながら、色合いの華やかさがひな祭りらしいお菓子です。
ただ菱餅には少々食べづらいという点があるので、伝統的なひな祭りカラーを踏まえ菱餅をプリンにアレンジしてデザートにしてみてはいかがでしょうか?
また、一歳や二歳の小さなお子様には、いちごやかぼちゃやさつまいもなどの果物・野菜を利用したデザートの献立も大変喜ばれます。
材料や詳細な作り方は、以下の記事をご覧ください。
このほかにも、お手軽に時間がかからずに出来る「お子様に人気のひな祭りレシピ」を取り扱っています。
関連記事:「初節句のおもてなしメニューはみんなが好きなもので!」
ひな祭りレシピでご家族全員でおすすめの一品:フレンチ風カップ寿司
ご家庭によっては、子どもから大人までさまざまな年齢層の方が集まることもあるでしょう。
年齢層に幅があると「どんな料理がよいの?」と迷ってしまうことも。
そんな時におすすめなのが、可愛くて色鮮やかな「フレンチ風カップ寿司」です。
フレンチドレッシングを使って頂く和洋折衷のお寿司で、一度食べると箸が止まらなくなります。ご年配の方には、フレンチドレッシングのかわりにポン酢などを使って、サラダ感覚で簡単に美味しく頂けますね。味覚の発達してくる1歳や2歳くらいの子供にも喜ばれると思います。
献立の材料や詳細な作り方は、以下の記事をご覧ください。
このほかにも「お子様や大人にも人気のひな祭りレシピ」を取り扱っています。
関連記事:「最近ではひな祭りのごちそう料理も種類色々!選べてうれしいレシピ」
家族みんなで楽しいひな祭り!
3月3日は楽しい雛祭り!料理から見るひな祭りは「想いのギフト」でもあります。
これまで見てきた色々なお菓子やお料理・デザートなどの献立には、さまざまな意味がありました。
しかし可愛い子供の「健やかな成長を願う」という点は共通しており、ご家族の強い願いが込められていたのですね。それらの願いの多くは、ひな祭りの伝統カラーである「赤・緑・白・黄」がモチーフになっています。伝統的な料理やお菓子とともに、ひな祭りカラーを受け継いだレシピを試してみてはいかがでしょうか?お子さんが少し大きくなって、一緒に雛料理のお手伝いをしてもらうと、一層楽しいひな祭りの思い出、イベントになると思います。古来から続く行事をご家庭で楽しく過ごしていただくことで、日本の文化は受継がれていきます。